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いわふか
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side.💛
彼に大嫌いと言われてから2週間。
俺はこれ以上嫌われることを恐れて、あの店に近づけずにいた。
岩本.
なりたかった美容師になれた今、俺は幸せなはずだった。
でも、
深澤さんに会えない。
合わせる顔がない。
それだけで、胸が苦しくなる。
呼吸ができなくなる。
俺はいつの間にか、あの人に“依存”していた。
岩本.
向井.
岩本.
向井.
彼は向井康二。
俺の同僚で、凄腕の美容師。
岩本.
岩本.
向井.
向井.
康二に隠し事はできないみたい。
俺は頷いた。
向井.
向井.
気づくともう休憩時間。
さっきまで勤務時間のド真ん中だったのに。
俺は康二に連れられ、裏に戻った。
向井.
向井.
無理に聞き出そうとするわけではない所が、この男の優しさを全て物語っている。
別に康二に安心感がないわけではない。
寧ろ俺の友人にしてはある方だった。
でも俺は、深澤さんに出会ってしまった。
康二からは、彼以上の安心感は得られない。
…上手く、言葉にできない。
岩本.
息が詰まる。
その様子を察したのか、康二は俺の背中を優しく擦る。
向井.
向井.
向井.
向井.
岩本.
今を大切に。
向井.
すぐに言えば伝わるものも、黙っていれば一生伝わらなくなる。
その言葉が、俺の心に響く。
俺は居ても立ってもいられなくなって、すぐ立ち上がった。
向井.
岩本.
岩本.
岩本.
向井.
向井.
向井.
そう言って康二は微笑んだ。
美容室を出て、走り続ける。
あの店を目指して。
岩本.
こんなに疲れたのは久しぶりだ。
どのくらい走ったのだろうか。
あの店のドアを開ける。
いつも通り人は少なく、呑んでいる人は酔い潰れていた。
ただ1つ。可笑しい。
mob
岩本.
岩本.
いつもここに来ると出迎えてくれる。
「岩本さん。いらっしゃいませ」
笑顔で、目を見て。
「ゴールデンキャデラックなどいかがでしょう。」
俺の。
俺の。
俺の愛しい、
「またのご来店、お待ちしております。笑」
深澤さん。
mob
mob
mob
岩本.
素の反応が出てしまう。
辞めた…?
2週間前。大嫌いと言われたあの日だ。
mob
mob
なにも、聞こえない。
もう深澤さんに、会えない?
岩本.
岩本.
俺はぎこちなくそう答え、店を出た。
コメント
1件
読了しました……第11話、胸がぎゅっとなりました😢 康二くんの「伝えなあかんことはすぐに伝えんと」って言葉、本当に沁みますね。それで照兄が走り出すシーン、すごく好きです。でも行った先で「辞めた」って……あの日の「大嫌い」が重すぎて、読んでるこっちまで息が止まりそうになりました。依存してたって自覚してる照兄の苦しさ、すごく伝わってきました。次の展開が気になります……!