レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
そうだ。
こんなことしてるのも覚えてないんだ。
気持ち悪がられるかな…
そうだとしたら…
レトルト
レトルト
キヨ。
レトルト
レトルト
レトルト
レトルト
そっとベッドから出る。
キヨ。
その言葉は聞けても 引き止めてくれたりなんてしない。
俺に嫌悪感を抱かないだけで、
それだけでいいじゃないか。
これ以上この状況で 何を求める?
好きだって言ってほしい?
無理だ、そんなの。
そんな言葉が聞けるのは いつになるかだってわからないのに。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
軽く朝食を食べたあと テレビを眺めながらそんな会話をする。
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
レトルト
これだけスムーズに会話できているのに
キヨくんは俺のことは覚えていない。
それは全くと言っていいほど。
それでも気軽に話してくれるのは 俺へのちょっとした気遣いだろう。
でも俺にとってはそれは ものすごく残酷で。
いっそ何も知らない、赤の他人の 扱いをしてくれたほうが…
キヨ。
レトルト
平日の朝10時。
通勤ラッシュを超えたこの時間は人が少なく
車内は閑散としていた。
レトルト
レトルト
俺たちは今、都内から少し外れた 海岸に向かっている。
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
そんな何気ない会話で 時間を潰す。
電車に揺られること数十分。
窓の外に水平線が見えた。
キヨ。
キヨ。
レトルト
レトルト
キヨ。
俺たちは少ない荷物を持って 降りる準備をする。
レトルト
普段見ている海とは違った その美しさに目を奪われる。
遠くに見える水平線。
キラキラ輝く水面も 見ていると言葉を失ってしまう。
キヨ。
レトルト
キヨ。
レトルト
履いていた靴を脱いで 砂浜に立つ。
レトルト
レトルト
キヨ。
キヨ。
キヨ。
少し考える素振りを見せながら 砂に足を埋めている。
それもやっぱり…
前にキヨくんとここに来た。
同じように砂浜を歩いて お互いに砂をかけ合ったり
暑いねーなんて言いながら 水に浸かったり。
その時のキヨくんのイタズラっぽい 表情を俺は覚えている。
TO BE CONTINUED…
コメント
2件
泣ける…🥺