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WOW\( ゚д゚)/!! 急展開!?ないふくっつけ〜
桃side
ないこ
放課後。 俺はいつもよりも早く、 生徒会室へ走っていった。 誰か__青柳先輩がいる事を願って。
ないこ
それはそうだよな、 と俺は息を整えながら思う。 誰もいない生徒会室は、 どこか俺を嘲笑っている様な気がした
ないこ
ないこ
手に持った携帯電話を見下ろす。 画面は暗くて見えないものの、 この先には俺を待ち構えている『壁』が存在している。 壊さなければいけない、 もう逃げる事は許されないのだ。
いふ
その時、背後から扉を開ける音がした 驚いて振り返ると、 そこにはスクールバッグを持った青柳先輩が微笑んでこちらを見ていた。
いふ
いふ
ないこ
立ち尽くす俺の横をすり抜け、 バッグを机に置いた青柳先輩は、 淡々とした様子で言う。
いふ
いふ
ないこ
俺が話を遮って声をかけると、 青柳先輩は「ん?」と首を傾げながら聞き返す。 俺は「えっと」と躊躇いがちに 背中で手を組み... 少し考えてから誤魔化す様に尋ねた。
ないこ
ないこ
いふ
少し沈黙してから、 青柳先輩は思い出した様に言う。 __違う、 したいのはそんな話じゃないでしょ。 ...俺の心の奥がそう呼びかけている様に感じた。
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
ようやく椅子に腰掛けた俺は下を俯き、大きくため息を吐く。 でもなんて言えば良いのか、 わからない。
ないこ
そう思った瞬間、 俺の背後から長い腕が伸びてきて、 俺の目の前にマグカップが置かれる。 驚いて顔を上げると、 青柳先輩が片手にカップを持って 俺を見下ろしていた。
ないこ
ないこ
急いで立ち上がり、 謝罪の言葉を述べた俺に、 青柳先輩は苦笑しながら言う。
いふ
いふ
いふ
青柳先輩は隣の席に腰を下ろし、 頬杖をついて俺の顔を覗き込む。
いふ
ないこ
ないこ
俺は全てを話した。 中学の卒業式に女子に告白されて、 未だに返事ができていないこと。 もしかしたら今日、 電話がかかってくるかもしれない事。 友人にさえ隠していた事、全て。
いふ
いふ
相槌を打ちながら 話を聞いてくれた青柳先輩は、 顎に手を持ってきて小さく唸る。
いふ
ないこ
考え込み始めてしまった青柳先輩を、 右手を前に出して止める。
ないこ
いふ
驚いた様子で俺に視線を移した青柳先輩の方向に顔を向けず、 俺はミルクが回るコーヒーを見ながら 自分が決めていた事を話した。
ないこ
ないこ
彼女とはクラスが三年間一緒で、 よく話していた。 学校の外で遊ぶこともあったし、 一緒にいて楽しかった。 ...だから。
女子学生
ないこ
本で読む・歌で聞く恋はキラキラしていて、これまでは憧れるだけだった。 俺だって羽根が生えたみたいに ふわふわしちゃったり。 そんな期待を胸に抱いて。
女子学生
女子学生
ないこ
だけど。 俺の足は依然、 しっかりと地面を踏み締めていて。
ないこ
気づいたらそう尋ねていた。 彼女は困った様な表情を見せたが、 やがて少し頬を赤らめて答える。
女子学生
女子学生
女子学生
ないこ
大丈夫、俺はきっと。 他の人より羽根が生えるのが遅いだけで、きっと今に。 __もうすぐ。
ないこ
ないこ
ないこ
いふ
青柳先輩が反応した様な気がした。 今でもあの日の事を思い出すと、 悲しい様な寂しい様な苦しい様な... 暗い気持ちに覆われる。
ないこ
『...どきどきした事ないやねんもん』
青柳先輩のあの言葉が、 再び俺の脳内をよぎってエコーする。
ないこ
ないこ
目をギュッと強く瞑った瞬間... 頭の上に大きい固い手が乗せられる。 顔を上げると、とても優しい表情をした青柳先輩がいて、 俺はこの人に撫でてもらっているのかと理解した。
いふ
青柳先輩は、 柔らかい声でそう語りかける。
いふ
いふ
ないこ
目を丸くして青柳先輩を見ると、 同意を示す様な口元の端を上げた笑顔を見せてくれる。 俺はカップを口に運び、 俯き加減で独り言の様に呟いた。
ないこ
女子学生
通話
00:00
ないこ
その瞬間、 机に置いたスマホが鳴り響き、 俺は着信相手を見て 思わず椅子から勢いよく立ち上がる。
いふ
青柳先輩がそう尋ねる。 俺は小さく頷いた。 出るか出ないか、 俺は恐怖と不安で一杯の俺は 手元でなるバイブに想いを馳せる。
いふ
__突然、青柳先輩が俺の手を掴んだ 安心させる様な温かい瞳と表情に、 自然と俺の心は落ち着いていく。
いふ
いふ
__内藤は、そのままで良いんだよ
ないこ
手を強く握られながら 放たれたその言葉に、 俺は目の前が光に満ちた感覚がした。 震える手でスマホを耳元に近づける。
ないこ
ないこ
暫くその状態で話していると、 相手から小さく「ありがとう」と 声が聞こえてくる。
ないこ
女子学生
通話
25:24
ないこ
電話が切れたのを確認し、 俺は大きく息を吐く。 隣でずっと手を握ってくれていた 青柳先輩に、 俺は感謝の言葉を述べた。
ないこ
ないこ
そう言って離れようとする 俺の手を__
ないこ
青柳先輩は離さなかった。
いふ
突如苗字呼びだった俺に対して、 青柳先輩は名前を呼ぶ。 その単語に俺は思わず、 身を震わせた。
いふ
青柳先輩は小さく呟く。 握られていたままの手が少し汗ばんでいるのは、俺じゃなくて__
いふ
ないこ
俺は掠れそうな声で答える。 まだ青柳先輩の手は離れない。
いふ
ないこ
ないこ
俺がそう答えると、 突如青柳先輩に手を引っ張られて 俺の体は青柳先輩に引き寄せられる。
ないこ
窓から吹く風に、 カーテンが揺らされる。 遠くの校庭からは運動部の笑い声と 勢いのある掛け声が聞こえてきた。
ないこ
ないこ
顔を上に向かせると、 目の前には青柳先輩の整った顔。 肩を掴まれ顔を寄せると、 鼻がついてしまいそうなほどの近さで 藍色の瞳が俺を覗いていた。
いふ
いふ
いふ
...この人が何を言っているのか、 俺にはよくわからない。
ないこ