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救われた男

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救われた男

1 - 救われた男

♥

50

2021年05月07日

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愛美

嫌!死なないで!

私が愛している人

ピー、と鳴る電子音が、彼の終わりを知らせた

愛美

…嘘でしょ?

私の愛した彼は 今、ここで死んでしまった

愛美

…何で?何で?どうして?

何故? という問いに、私は思考の海に沈む

愛美

貴方の横顔、笑った顔、言葉、全てが愛おしかったのに…

私は、その問いに答えをだせなかった

愛美

何で…

彼の家に訪れた時、珍しく鍵が開いていた

無用心だなぁ って、思いながら彼の家に入った

そうしたら、彼が死んでいた

首をくくって死んでいた

すぐに119番に通報したが、一体───

愛美

一体誰に?

近頃の彼は、顔が優れていなかった

きっと、誰かから脅されていたのだろう

愛美

そうだ、そうに違いない

それで、彼は殺された

可哀想だ、最悪だ

愛美

…あ

瞬間、名案が浮かんだ

愛美

そうだ、そうだよ

愛美

愛美

彼を生き返らせればいいんだ…!

そうと決まればすぐに行動だ

愛美

待っててね…愛しい貴方…

そこから一年

私はある本を手に入れた

その本には、『大切な人を生き返らせる方法』が書かれていた

愛美

だから私は用意した

蘇生させたい人の髪の毛

皮のブックカバー

ロウソク

50gのルビー

人の涙1L

女性の心臓

愛美

大変だったけど、全部集めた

愛美

さて、これを…

まず、ロウソクに火をつける

溶けていくロウを、ブックカバーに垂らす

愛美

そして、髪の毛を挟み込む

次に、ルビーで心臓を潰す

愛美

ん、これ思ったより大変…

うまく潰れてくれない やっぱり、刺すのとは違うなぁ

よし、だいぶ潰れた

愛美

じゃあこの心臓を、ロウソクにかけて

うわぁ、見た目が気持ち悪い

でも、炎の勢いが強まった気がする

愛美

私の想いが伝わったのかな?

よし、じゃあブックカバーを燃やして

愛美

燃えろ~、燃えろ~

あの女の心臓も役にたって嬉しい♪

じゃあ、出来上がったこの燃えかすに涙をかける

愛美

うわっ!

かけた瞬間、霧のようなものが発生してきた

愛美

ごほっ、何これ?…くさいよぉ

愛美

…え?

霧が晴れると、一人の男

いや、彼が立っていた

私が愛している人

・・・・・・

愛美

…やった!成功した!

私が愛している人

・・・・・・

愛美

えっと…

私が愛している人

君は…

愛美

私が愛している人

いや、それよりも…

私が愛している人

何で?どうして?

私が愛している人

僕は死んだはずだ…

愛美

愛美

ねぇ、その事なんだけど

私が愛している人

愛美

私が君を生き返らせたの!

私が愛している人

…は?

愛美

一人は寂しいもんね、これでずっと一緒だよ!

私が愛している人

いや、えっと…

私が愛している人

私が愛している人

君は一体誰だ?

男は涙を流しながら、彼女に聞いた

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