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次の日玉壺は何も言わずに壺を二つ並べた。
どちらからも同じ気配。多分人間だろう。
玉壺
軽い声だった。私は壺を見た。見て止まった。…選べない。
喉が縮んで声が出ない。視線を逸らしたくなるのを必死で堪える。
月
月
時間だけが過ぎる。玉壺は何も言わない。それが逆に怖かった。
月
絞り出すように言った。次の瞬間空気が変わった。
玉壺
低い声。
玉壺
体がびくっと震える。反抗したい。言い返したい。でも出来ない。
月
沈黙。そして小さくくっと笑った。
玉壺
壺の影がゆらりと揺れる。
玉壺
玉壺
玉壺
一歩距離が詰まる。圧だけで息が苦しい。
玉壺
耳で囁くような声。
玉壺
グサリと刺さる。
玉壺
玉壺
玉壺
言い返したいのに言葉が出ない。冷たい声。
次の瞬間私はまた壺の中にいた。
玉壺
そう言って両方の壺を割った。私が助けれる前に。
玉壺
壺の内側に自分の姿が歪んで映る。目を逸らしたくなる。
玉壺
玉壺
反抗出来ない。怖い。圧が存在そのものを押し潰してくる。
玉壺
その声を残して気配が遠ざかる。壺の中で私は小さく息を吸った。
胸の奥がじわじわと痛くなる。
月
そうようやく理解し始めていた。