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見えてる!?!?
主
俺の入った美術部は俺を含み 8人で構成されている
部長のクロノアさんは3年生 綺麗な髪で、Theイケメンって 感じ
それから美術部のエース 同じく3年生のコンタミさん 整った顔立ち、赤いネクタイが 特徴だ 独特なセンスで まぁ、色々とすごいらしい
ほかの3年生としては 緑色さんとトラゾーさん 2人ともクロノアさんの古くからの 友人らしく、制作もほどほどに 美術室で好きなことをのんびりと やっているらしい トラゾーさんなんか色んな 運動部と掛け持ちしてるとか… ちなみに、緑色さんという方は 用事があるため今日は 来てないようだ
2年生は金豚きょーさんと レウクラウドさん 2人は幼なじみらしく いつも仲がいいように見える 制作の方も割と熱心で、新鮮な 視点から作品を見ることに 長けているとか
変な名前な人が多いのは 部活は本名じゃなく、あだ名で 活動する決まりがある なんでかはわかんない
放課後の美術室で クロノアさんの声が響く
クロノア
クロノア
トラゾー
とトラゾーさんが 苦笑いしながら言う
金豚きょー
そういったのは金豚きょーさん 長いのでこれからきょーさんと 言おう
じゃあ、と控えめに手を挙げたのは 先程クロノアさんに 「しにがみくん」と呼ばれてた 彼だった
しにがみ
しにがみ
クロノアさんが 「人聞きの悪いことを〜」 と茶々を入れる
レウクラウド
と、レウクラウド 略してレウさんがこっちを向く
らっだぁ
さっきまで静かにしてた らっだぁが突然笑い出す
どついてやりたいのを堪えて 自己紹介をする ここでらっだぁに反応したら 変なやつだと思われちゃう だってらっだぁは俺にしか 見えてないんだから
ぺいんと
ぺいんと
しまったな… 気の利いた事なんて なんも言えてない…… そう思いながら恐る恐る皆の 方を見ると、そこには 優しい笑顔が並んでいた
あ、ここは他のどんな所よりも 暖かい
クロノアさんがジュースの入った 紙コップを差し出す
クロノア
「かんぱーい」とクロノアさんの 合図に続くレウさんときょーさん
「ジュースだけどねw」と笑う コンタミさん
和やかな雰囲気に、ホロリと 涙がこぼれそうになった
俺、こんなに恵まれてていいのかな
ふと、後ろを振り返って らっだぁの方見た
らっだぁは、心底愛しいものを 見るような目でその光景を 見つめていた
そこにあったほんの少しの 思いは、その時の俺には 感じることが出来なかった
しにがみ視点
帰り道 僕とは2つも年が離れてるが クロノアさんはよく一緒に 帰ってくれた
定期をかざして、なんとなく 改札を通る 入学当初はぎこちなかったこの 動きも、なんとなく慣れてきた
クロノア
そう言って走り出すクロノアさん 僕もそれに続いた
駆け込んだ僕とクロノアさんを 飲み込んで、電車は ゆっくり動き出す
手すりにもたれかかり 「ふぅ」と息を吐くクロノアさん その横顔は春の夕陽に、いや夕陽が 白髪に溶けていく
クロノア
しにがみ
クロノア
がたん、と電車が大きく揺れた クロノアさんの白髪は夕陽を 吸い込んで、苦しい
しにがみ
そう言うとクロノアさんは ははっ、と笑った
クロノア
しにがみ
クロノアさんは僕の反応を 見てまた笑う 眩しいな、この人はずうっと
クロノアさんは窓の外を 見ながら、独り言の様に言う
クロノア
その言葉は、 電車の揺れにかき消された
しにがみ
しにがみ
クロノア
電車は駅に止まった
ぺいんと視点
今日は部活はお休みのはずなのに 美術室が開いてる事に気がついた
入部した日に画材をそのまま この部屋に置いてきてしまった ため、取りに来たのだ 中からは、微かにがたごと、と 音がする
らっだぁ
らっだぁは声をひそめる らっだぁの声は 誰にも聞こえるはずないのに
ぺいんと
扉の近くまで行き、小声で呟く 返事は無い
恐る恐る足を踏み入れると 準備室からパソコンやらお菓子を 抱えた男子生徒が出てきた スリッパは赤、3年生だ
緑色
彼は持ってるものを 教卓の上に置いた どさり、と音がする
ぺいんと
緑色
緑色
あぁ、この人が緑色さんか 幽霊の様な白い肌に緑色の 綺麗な目が印象的だ
ぺいんと
そう言うと緑色さんは 優しい顔で笑った
緑色
良かった、この人も不思議な 人だけどいい人そうだ
そう思ったのもつかの間 この人は、緑色さんはとんでも ないことを言い放った
緑色
主
主
主
主