サヨナラ僕のカメ

まだ五歳のダニエルがちゃんと面倒を見られるか心配だったが

カメにジョージと名前をつけ面倒を見た、そんな微笑ましい光景を見て母は目を細めた

ところがそんなある日ダニエルが悲鳴をあげた

母が駆けつけるとダニエルは水槽の前に居る

母が水槽を見るとジョージは目を閉じて動かなくなっていた

この状況を見て一目でわかった

おそらく、ダニエルにもこの状況を察したのであろう

ダニエルの問いかけにどう答えれば良いのか迷ったがここで誤魔化してもダニエルの為にならない本当の事を伝えようと思った

ダニエルの目には涙でいっぱいになった

ダニエルが亀を大切にしていたのは分かる、だが大切にしているものと別れるのは子供として貴重な経験になると母は考えた

ダニエルは涙をかこられてるようだった

しかし、ダニエルはまだ悲しそうな顔をしている

母は息子を慰めたいと思った。別れは辛くても悲しみを引きずらず、新しい気持ちを切り替えなくてはいけない

ダニエルはやっと笑顔になった

そう言って母は水槽に手を入れ亀を持ち上げようとした。

母が叫んだのはジョージがかすかに動いたように見えたからだ

親子は水槽を覗き込んだ

少しして亀がゆっくり目を開けさらにゆっくり足を動かし始める

もしかすると、この冬の寒さで仮死状態におちいってただけかもしれない

そういうと、母は急いでバスルームへ向かった

そう言ってお湯を持って来ると部屋からダニエルの声がした

ダニエルは亀を掴みムリヤリテッシュで包もうとしていた

困惑する母親にダニエルは笑顔でこう答えた