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大吾くんへ

元気にしてますか?

私は元気だよ。

もう君が死んでから何年経ったっけ?

もう私はちゃんと覚えてないの。

声も、仕草も、温もりも。

全部。

全部好きだったのに…

時間は許してくれないみたい。

忘れたくないよ…

ごめんね、私が泣くとこじゃないよね。

1番辛いのは君なのに…

もうこれ以上忘れないうちに私の気持ちを伝えておくね。

君は何かに夢中になれてる?

夜の日差しでも。夏に舞う雹でも。

何でもいい。

なんでもいいから…

何かに美しさを感じられる心を持ってて欲しいの。

また何かに夢中になれるようになって欲しいの。

もうそれが幸福でも感傷でもいい。

何も感じられなくなるよりはましでしょ?

小説に夢中だったあの頃みたいに…

何年経っても君は君のままでいて欲しいんだよ。

どんな世界でも大丈夫だから。

また直接応援してあげられないけど私はずっと応援してるから。

私たちが出会ったきっかけ。

本を取ってもらったんだっけ。

「幸福な王子」

王子はみんなが幸せになれるように自分の身を削っていたけど

私は違う。

私が尽くせるのは君だけだから。

あの日々を、あの温もりを忘れてしまうぐらいなら。

私はもう何を失っても怖くないよ。

また君に逢えるなら。

また1からでも思い出をつくれるなら。

何を失っても…

いや、全部じゃない。

私の心だけは残しておいて。

いつかは私も君の世界に行く時が来る。

それは避けられないけど。

その時また君に逢えるなら…

また逢うために。

私の心だけは残しておいて欲しい。

いつかまた逢えるから。

絶対だから。

その時まで待っててね。

この声は届いてますか?

next➪ ♡2000…

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