こんにゃくくん。

"でもええよ、俺はそのままのみなみちゃんが好きやから。"

ふわりと笑った拓ちゃんに、

胸がドキッと高鳴る。

好き…好き？

これまで可愛いとは言われた事あるけど…

好き

…それは無い。

しかも天使からのお言葉…！！

構えたスマホを取り上げて、

"ほら、寄って"

と私の肩を掴んで引き寄せた拓ちゃん。

"笑って〜"

"はいチーズ"

そう言っただけの拓ちゃんも天使すぎて…

あぁ、録画にすれば良かった。

ピースをして、

ニコッと笑った後、

パシャ

という音が聞こえて、

"はい、どうぞ"

とスマホを返された。

理由を話さないまま、

軽く手を振ってさっき来た道を歩いていく拓ちゃん。

その背中にもう1回、

"ありがとう"

と呟き、

拓ちゃんとのトーク画面を開いた。

…写真送信っと。

もう一度、

遠く離れた拓ちゃんを見ると、

"よっしゃ"

とガッツポーズしている拓ちゃんが小さく見えて、

なんかよく分かんないけど可愛いな〜。

今なら怒られない。

バレなきゃ犯罪じゃない。

そう思い、

またカメラを起動して、

パシャリとその姿を撮った。