アルファントバース

実習前の腹ごしらえとしてパイロットスーツで食事をしているとわらわらと人が集まってきた

突然数人に囲まれて質問攻めに合ってしまい下を向いてしまう

凛とした、少し冷えた声が空間を切った

リルの申し出に辺りは騒然とした

端末をリルのMSにつないでタブレットの画面を見つめる

バッと振り向くと目の前にリルの顔があり固まってしまう

地球寮以外で男子生徒とこんなに話すのはリルぐらいで少し戸惑ってしまう

プログラムを修正して端末を切断した

真っ黒な、光を宿してないリルの瞳が私をじっと見つめてきた

ずっと手を伸ばしてきて頬にリルの手が添えられた

目を逸らしてオドオドとしてしまう

外からエマの声が聞こえてきてまたもや肩を跳ね上げてしまう

MSから降りてきたケイトの胸ぐらを掴んだ

リルがケイトに告白して2人が消えたって聞いて探し回ってきた

その先を言えずに私は諦めてシャツを離した

なんでこんなにイライラしてるんだろ

自分の気持ちがよく分からなくなって収納庫を出ていった

コツ、コツ、コツ、コツ

彼女はまた歩き出した いつものように背筋を伸ばして、気高く美しく

私はただ背中を見つめる事しか出来なかった

私とエマさんでは住んでる世界が違う、から

数日後

今回のステージは森林での訓練区画

遮蔽物が多いステージ

合図と共に音が鳴る

移動している音が遠くで聞こえる

レバーを握る力を強くするとモニターが光った

レバーを曲げて足元を思いっきり踏み込んだ

画面を見るとケイトはある一方に銃を向けてビームライフルを放った

ビビーっと音が鳴り勝者が宙に浮かび上がった