コメント
12件
あああ…しんどい… 「彼は中学2年生で私は高校生で」という言葉が現実を突きつけてきて辛いですね…切ない…2人とも幸せになれ…(?) 素敵なお話をありがとうございました!
「高校生にもなって中学に忍び込むのは多分私くらい」というセリフ、「私たち」じゃないのかな?🤔と思っていたのですが、彼が亡くなって中学2年生だから「私」だけなんですね…!?気づいた瞬間、鳥肌たちました(;Д;)(;Д;) 他にも彼が死んでしまった伏線がたくさんあってすごすぎます👏❤
泣きました……(´;ω;`) 風景描写がとても綺麗で惹き込まれましたし、ラムネを一緒に〜のところは最後まで読んでからもう一度読むと更に切なく感じました… 最後の消えてしまうところとか、もう…涙が止まりません……(´;ω;`)
海に近い小さな神社 午後6時、階段前の待ちあわせ
鼻を擽る潮の匂いと じっとりとした暑さ
耳を澄ませば 微かに波の音が聞こえる
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
乾いた笑い方 境内を指差す人差し指
彼と会うのは一年ぶりだった
あきと
あきと
あきと
なつみ
屋台に来たはいいものの 彼は話し始めたら止まらない
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
金魚すくいに吸い付いていく私に 向けた笑顔は今年も柔らかかった
なつみ
なつみ
あきと
なつみ
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
何その真面目な顔
やっぱり、嫌いだ
なつみ
あきと
なつみ
言いかけたけど 彼の顔に一粒も汗が見当たらない
あきと
なつみ
あきと
なつみ
二年前はうちの縁側で アイス食べて、ラムネ飲んで
クーラーの聞いた部屋で 一日中ゲームしてたよ
うそつき。
なつみ
あきと
なつみ
あきと
あきと
なつみ
高校生にもなって中学校に忍び込むのは多分私くらい
中学の頃の教室 あきととの最後のクラス
3階、2年3組、 担任の名前は確か…
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
あきと
言いながら、あきとが窓を開けて 校庭の方を見る
あきと
なつみ
あきと
あきと
ちょっと困ったような笑顔が こちらを向いた
なつみ
なつみ
ゲームもスポーツも 人一倍頑張ってるの知ってるよ
勉強はちょっと苦手だったけど なんとか頑張ってたし
あきと
なつみ
悲しそうな顔をしたから 私まで悲しくなってきて
つま先を見つめた
あきと
なつみ
ドーンッ
パチパチパチ…
火花が夜空を彩って散っていく
その光が私にだけ影を作った
あきと
なつみ
あきと
こっちのセリフだ
二年前、“好き”の言葉一つ 残して逝ったくせに
夏の匂いに混じった鉄のような匂いを朧気に今も覚えている
なつみ
あきと
なつみ
頬が濡れる感覚
涙の味か潮の匂いか 少しだけしょっぱい味がした
花火の光で暗くなった彼の顔は よく分からなくて
枝垂れ桜のようになった花火を背景に俯く彼は何処か綺麗だった
なつみ
なつみ
なつみ
あきと
去年、気まぐれで彼との待ちあわせ場所に行った
“思い出に浸ろうかな”なんて 未練たらたらな感情で
同じ格好で、同じように話しかけてきた彼に戸惑ったけど
悲しくて辛くて痛くて 少しだけ嬉しかった
「あの頃みたい」だなんて思って また来年も、って
なつみ
あきと
なつみ
あきと
なつみ
なつみ
一刻も早く彼を忘れたいのに どうしても彼に会いたいのだ
時間に置いていかれているのは 彼のほうで
彼はまだ中学2年生で 私はもう高校生で
彼の時間だけが止まったまま
彼を置いたまま 時計の針は回っていく
あきと
なつみ
きっと私は、来年も、再来年も、 その先も彼に会いに来るのだろう
開いていく年の差と薄れていくあの日に心を痛めながら
あきと
“なんてね、クサいかな”
いつか彼が言ったのを思い出した 冗談めかしながら、照れていた
なつみ
クライマックス、最後の花火
顔を上げた先に彼はいなかった