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彼女の瞳に映る人。#5

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彼女の瞳に映る人。#5

1 - 彼女の瞳に映る人。#5

♥

199

2019年03月29日

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三国

──私と葉山さんが出逢ったのは15年も前のことです

葉山

15年も……?

三国

はい。15年です

三国

私たちが10歳の時ですね

三国

葉山さんは、私のクラスメイトでした

三国

優しくて穏やかで、少し不思議な

三国

私が、葉山さんのクラスに転入したんです

三国

しばらくは私も、葉山さんと関わることは
なかったんですが、
中学・高校と同じクラスでして

三国

しかし、ある出来事をきっかけに

三国

葉山さんと深い繋がりを持つことになりました

葉山

ある、、、出来事

三国

──私の母親と葉山さんの父親の再婚です

三国

私の母親は男遊びが激しくて

三国

葉山さんの父親と再婚することに
なっていしまいました

三国

そして私たちは、義理の兄妹、という関係に

葉山

すみませんが、、、全く覚えていません

三国

そのようですね

三国

私たちが義理の兄妹になっただけなら

三国

葉山さんにあんな不運は訪れませんでした

三国

三国

恋をしてしまいました

三国

葉山さん、あなたに

三国

初恋でした

葉山

三国さん……。

三国

葉山さんも同じ気持ちでいてくださいました

三国

なので私たちは

三国

周囲には秘密で、交際を始めました

三国

ですが──

三国

両親はまたもや、離婚することになってしまいました

三国

惚れっぽい母親のことです

三国

当時の私もそれくらいは仕方ないと思っていました

三国

それに私たちが家族でなくなれば

三国

周囲の目も気にせずに交際できますから

三国

しかし今回は、離婚だけでは済まされなくて……

三国

母親は仕事でクビ

三国

当時、幼かった私の弟も病気で

三国

母親の精神状態はよくありませんでした

三国

そしてある時、
実家のある北海道へ帰ると言われました

葉山

北海道……?

三国

はい

三国

それだけは嫌でした

三国

母親の悪い噂が流れて
いじめを受けていたことがありまして

三国

そこに戻ることだけは、どうしても嫌でした

三国

何より

三国

恋人とも離れてしまいますから

三国

なので私は勇気をもって母親を説得しようとしました

三国

ですが、母親はヒステリックに声をあげて

三国

私に暴力も

三国

初めて抵抗する私が気に食わなかったのか

三国

母親は私をベランダから突き落とそうとしました

三国

そこに運悪く、葉山さんが駆け付けて

三国

──私を庇って突き落とされました

三国

マンションの7回からでした

三国

幸か不幸か、命に別状はありませんでしたが

三国

目を覚ました葉山さんは

三国

私のことをすっかり忘れていました

葉山

っ……

三国

そんなところですかね

三国

命は助かった、直接手を下してはいないと
友人は庇ってくれたものの

三国

私がきっかけで葉山さんを
危険な目に遭わせてしまった
その事実に変わりはありませんから

三国

葉山さんの前から姿を消しました

三国

葉山さんには、きちんと幸せになって
貰いたかったので

三国

キレイさっぱり忘れようと思いましたが

三国

あなたは、立派な小説家になっていました

三国

その小説を読んで、欲が出てしまいました

三国

別人としてあなたと関わりたいと

三国

いや──

三国

もう一度だけ、私を思い出してほしいと

三国

だからグラフィックデザイナーになって

三国

葉山さんについて調べて

三国

この電車で再び出逢いました。

三国

そしてまた、あなたを好きになりました。

葉山

三国さん、本当ですか

三国

本当です

三国

あの頃と変わらず、優しくて穏やかで少し不思議な
葉山さんを

三国

私は今も……

三国

でも

三国

葉山さんと一緒にいる資格は、私にはありません

葉山

……はい?

三国

今日で、最後にします

葉山

どういうことですか

三国

葉山

三国さん

葉山

待ってください

~峯岸駅、峯岸駅~

三国

お逢いできてよかったです

三国

ありがとうございました

三国、電車を降りる

葉山

また、逢えますよね……?

三国

『彼の瞳に映る人。』

三国

私が生涯好きになる、たったひとつの本です

三国

葉山さん、幸せになってください

  プルルルルルルル……

  (ドアが閉まる)

葉山

三国さん‼

三国

(さよなら……フミくん)

〝僕の、以前の恋人〟

〝初めて逢った日から気になっていたのは〟

〝やはり偶然ではなかった〟

〝かつて、自分の命を犠牲にしてでも守りたかった女性〟

〝そんなにも大切な存在を忘れてしまった〟

〝思い出せない自分をひたすら悔やんだ〟

〝この日から、彼女が同じ電車に乗ることはなかった〟

ファーストシーズン終了!

ありがとうございました!

セカンドシーズンでは

運命に導かれた、葉山と三国が

最後の決断をします!

気になるかたは是非、いいねお願いしまーす👍

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