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この世界では稀に 呪い子が生まれる
神に見捨てられた呪い子は 人から生まれたにもかかわらず
人として扱われない
呪い子は生きることが罪だが 呪いは死ねぬことを罰とする
それが
この世の理である
???
森の奥
木々の隙間から差し込む月明かりが 細く揺れている
その中を──白が走る 少女は走っていた
???
理由なんて、もう分からない 何から逃げているのかも分からない
ただ
「止まったら終わり」
それだけが体を動かしていた
荒い呼吸 乱れる足取り 視界が滲む
白い肌に木々が引っかかり 小さく裂けて行く
???
???
次の瞬間──足元が崩れた
急な斜面─
???
踏み外した身体はそのまま前に落ち 土と枝を巻き込みながら転げる
止まらない
止めれない
ガンッ!!
木に叩きつけられようやく動きが止まった
白い髪が地面に広がる
森は、何事も無かったかのように静寂になり
少女は、意識を手放した。
足音がひとつ
乾いた土を踏みゆっくりとした音 黒い影かそこに現れる
???
男は立ち止まり 倒れている少女をを見下ろしている
白い髪 細い体 呼吸は――かろうじてある
しばらく、何もせず見ていた 普通なら通り過ぎてもおかしくない状況
だけど男は、しゃがみ込む 少女の頬に触れた
ほんの少し冷たい
???
独り言のように静かに呟く その声に感情はほとんど乗っていない
ただ――
興味でもなく同情でもなく、 もっと曖昧でしかし確かな“何か”があった
男は少しだけ考える素振りを見せて そして迷いなく少女を抱き上げた
軽い 驚くほどに
???
その言葉は
助ける理由でも正義でもない
ただの″選択″
少女の髪が彼の腕から零れる
白と黒が交わる
まだ誰も知らない
少女にとっての″終われない生″の始まりで
男にとっての″手放せない存在″ の始まりになることを
???
???