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あれから2日が経って、亮平さんとは連絡を取っていない。 会社で、仕事してても、気になることがありすぎて集中出来ない。 橘ちゃんとも気まずくて、必要最低の会話しかしていない。 このままで、ポスター撮影が上手くいくのか。
それと、私たちの関係はどうなるのか。 そう言えば、今日、亮平さん帰ってくる日だよね。 今日は、会ってくれるのかな? 仕事が終わり、家に帰る。 亮平さんからの連絡はなく、 自分から連絡する勇気もなかった。
マンションに着くと、 あれ? タクシーが停まっていて……そこにいるのは…… 亮平さんと、この前の女性だった。
桜井凪沙
私は、見えないように、マンションの手前にある建物の陰に隠れた。
女性の方はまた感情的に話してるように見える。 亮平さんは何も話してないように見えるけど。 二人の様子を見ているときだった。
大きな声で、女性が「好きなの」と言い、亮平さんに抱きつく。 あぁ……もう無理かも。 辛い。 苦しい。 目を瞑り下を向く。 見たくない……
一分ほど経って、タクシーが走る音がし、 女性はいなくなっていた。 亮平さんだけが見えている。 あっ……行っちゃう。
桜井凪沙
私の近くにいてよ。 私、もう無理だよ。 亮平さんが、エレベーターを待っているのが見え、 亮平さんに追いついた、私はそのまま…… 亮平さんの背中に抱きついた……
分かっていたのに…… 私が1番分かっていたのに……
阿部亮平
亮平さんの背中に抱きついた私にすぐ気づき、振り向いてくれた。
阿部亮平
もう、苦しいよ…… 名前を呼ばれるだけで苦しい……
桜井凪沙
もう、気持ちを抑えることは出来なかった… 涙が止まらない。 声が震える…
阿部亮平
桜井凪沙
すると、亮平さんは、そっと抱きついていた、 私の手を離し、 私の両手を握ってくれた。
阿部亮平
亮平さんが話しているのに、私は目を見ることが出来ない。 でも、「はい」と返事だけした。 ちょうど、エレベーターが降りてきた。 亮平さんは、片手で私の手をつなぎ そのままエレベーターに乗り込んだ? エレベーターを降り亮平さんの家へ向かう。 手を繋いだまま、私の少し前を歩く亮平さんの姿を見るとホッとする。
それと、同時に不安に襲われる。 家に着き、ソファーに座る。 気まずい…
阿部亮平
亮平さんはもう分かっている。 私の気持ちに。 私の気持ちは届かないのに…… 届かないのなら、いっその事言ってしまえばいい。 亮平さんを困らせればいい。 私のことで困ってよ。
私の気持ちを伝える…… 多分、今日で……さよならだから……
桜井凪沙
阿部亮平
私の気持ちに答えてくれない。 いや、答える意味がないのかも。
桜井凪沙
阿部亮平
私の言葉に目を丸くしている。 あなたが言った約束です。 私は、この契約に散々振り回されました? だから契約解除したい。 すると…
阿部亮平
桜井凪沙
嫌だ。亮平さんから「契約解除」の言葉は聞きたくなかった。 私から言う想像しかしてなかった。 ずっと私から言う言葉だと思ってた。
桜井凪沙
恐る恐る、理由を聞く 聞きたくないはずなのに……勝手に口が動く。
阿部亮平
限界……? 意味がわかんない。
桜井凪沙
少し沈黙が続き……
阿部亮平
言われた瞬間、亮平さんから目を逸らした。 え、なんで? ひどいよ。
阿部亮平
桜井凪沙
そんなふうに思ってたの? 私、邪魔だったの?
桜井凪沙
言葉がつまった。 思っていたこととは全く違うことを言われ、 気持ちが追いつかない。 もう…… 私と亮平さんの関係は…… 知らない間に壊れてたんだ……
私が1人で浮かれていただけ…。 優しくしてくれるから、大好きな笑顔を向けてくれるから、好きになっていくばかりだった。 でも、あんな風に言われたら…… さすがにショックだよ…… もう…ボロボロだよ……
桜井凪沙
阿部亮平
桜井凪沙
泣きたくなかったのに、涙が溢れる。
桜井凪沙
阿部亮平
うん。とか言わないでよ。 なんで……傷ばっか残すの? もう話したくない。 会いたくない。 今までの記憶から全て消してしたい。 無かったことにしたい。 私は、ソファーから立ち上がって…
桜井凪沙
と言って、玄関に向かって歩き ドアを開けて、亮平さんの家を出た。