ある日の朝…
相崎優斗
これで荷物はそろったね。
ソプラ
今日は何かあるの?
相崎優斗
始業式だよ。新学期が始まるんだ。
ソプラ
じゃあこれまでみたいに出かけられないってこと…?
相崎優斗
まぁ、そういうこと。じゃ、行ってくるね。
ソプラ
いってらっしゃい…
午後2時…
ソプラ
始業式ってどういう式なのかしら…
ソプラは1人で流星通りの空を見上げていた。
ソプラ
今日は暑いわ…
ソプラ
いつか私がブレスレットとか買ってあげられる人になりたいな…
ソプラ
それにしてもこのアクアマリン、キレイだな…
ソプラ
本当にこの恋が実ったらなぁ…
ソプラはこのようなことを言いながら海に向かった。
優斗は学校から帰ってきて、家にソプラがいないことに気づき
こういう時いつもソプラがいる海に行っていた。
ソプラ
昨日みたいな日々も今日で終わりなのね…
そう言ったソプラは悲しさのあまり泣き出してしまう。
その声を聞いた優斗が砂浜に座っているソプラを見つける。
相崎優斗
今日はごめんね、長い時間会えなくて。
ソプラ
こっちこそごめんなさい。優斗が知らないうちに海に行っちゃって…
ソプラの涙の粒が大きくなる。
相崎優斗
泣いてるの…?
相崎優斗
ごめん。明日からも3時くらいに帰ってくるから昨日みたいにお出かけはできないな。
相崎優斗
こっちを向いてよ。
ソプラ
ダメ…
相崎優斗
顔を見せて…
ソプラ
ダメって言ってるじゃん!
相崎優斗
でも…
そういって無理やりソプラの顔を優斗の方に向かせる。
ソプラ
ダメだよ、優斗…
相崎優斗
あっ…
優斗がソプラの「秘密」を思い出す。
次第にソプラの目の光が消えていく。
相崎優斗
本当にごめんね。僕があのことを忘れてたせいで…
ソプラ
優斗のせいじゃないよ…
相崎優斗
僕のせいだよ…
ソプラ
あの時行った商店街、楽しかったなぁ…
ソプラ
優斗くれたアクアマリン、キレイだよね…
相崎優斗
あぁ、もうダメだ…
相崎優斗
完全に僕のせいだ…
ソプラ
だから優斗のせいじゃないって…
ソプラの体が海に沈んでいく。
相崎優斗
ソプラ、僕のこと忘れないでいてくれるよね?
ソプラ
うん…絶対忘れない……
ソプラは海に消えていった。
相崎優斗
今までありがとう、ソプラ……