テラーノベル
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@ 水
兄弟達が寝静まった部屋を後にし 水はドアの前でふと考える
どこか焦りを感じるような 真剣さを感じさせるような、 そんな眼差しだ
@ 水
@ 水
そう、能力 水が桃にマナをかける時、 水のマナが"何か"によって弾かれた
水の力に抗えるのは同じく神力か、 能力、神聖力、そして魔術
ちなみに神聖力と言うのは この世界全体の神様の神力を分け 派生したもの
力の内容は人によって違うが 大体は治癒、浄化、守護能力だ
@ 水
@ 水
全員から感じる、全身を巡る力 それが開花しているのもあれば、 まだ殻を閉ざしているものもある
人数的に見ると後者の方が多い 肉体も精神にも幼く、 負担がかかるのもあるかもしれない
@ 水
@ 水
寝室に着くなり水は布団に 飛び込みんだ
水の思いきりかかった体重によって 布団はギシッと音を立て沈む
@ 水
@ 水
ブツブツ独り言を呟いているうちに 水の瞼は次第に閉じられていく
数分経てば寝室に聞こえるのは 秒針と寝息だけだった
寝静まる寝室に1つの小さな 人影が立ちすくむ
よちよちと言える朧ない足使いで 水が眠る布団へと、近づいて行った
@ 黒
@ 水
人影の正体は黒 眠りから覚め、兄達を 起こそうとするも失敗してここに 来たようだ
でも水ももう深い眠りに入っていて なかなか黒の声を聞き取る事が 出来ない
段々と震える声で必死に 水を求める黒
黒の瞳は揺れ始め、目頭には 涙が溜まって言った
@ 黒
@ 黒
黒の瞳から1粒の涙が落ちる それに続くようにどんどん涙が 溢れていく
黒の服には涙の跡がつき、 寝室には黒の嗚咽が響いていった
@ 水
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 黒
水に1度撫でられると水の温もりに 安心したのか、堪えてた涙が 溢れていく
そんな黒にあたふたしながら 慰めようと頑張っている水
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 黒
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 水
水は黒を隣に寝かせ、布団をかける 黒の子供体温で布団がどんどん 温かくなっていくのが分かる
少し目周りが赤い黒の頭を撫で 黒の瞼が落ちていくのを待つ
@ 黒
@ 水
@ 黒
「お父様」 小さな子からでる、大人っぽい 言葉使いに、水の心は痛められる
いくら裕福な家系でも いくら…虐待を受けていても
子供が無邪気に笑って、泣いて 感情のままに動いていいのは、 世界共通なはずなのに
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 黒
@ 黒
@ 水
@ 黒
@ 黒
@ 黒
@ 黒
@ 水
@ 水
@ 黒
水が「ゆーくん」と呼ぶたび 目を細めて笑う黒
その笑顔があまりにも無邪気で 純粋で、無垢で…とても愛しかった
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 黒
@ 水
@ 水
水が黒に向かって呟くころには 黒はもう夢の中で、水の腕に 包まれるように眠っていた
@ 水
水は再び瞳を閉じ、眠りについた
コメント
3件
面白かったです✨続きも楽しみにしてます!
次回 ♡1000