少し焦げたトーストを口に運ぶ。
かけたはちみつが端から垂れた。
伊織
……あー
伊織
こぼした〜
廉(兄ちゃん)
仕方ないじゃん…
廉(兄ちゃん)
食べるの得意じゃないって分かってるくせに
伊織
……内面はとことん似とらんね
伊織
俺ら。
廉(兄ちゃん)
伊織はなんでも丁寧だしね〜……
伊織
─も少し丁寧に洗えへんの?
伊織
しゃーない、洗ったる
伊織
─書き順、違っとるよ?
伊織
こっちが先
伊織
…まったく、雑につけるなあ……
伊織
ま、全然ええけど…♡
伊織
─い……
伊織
おーい?
廉(兄ちゃん)
……っあ
伊織
あー、また垂れたし…
伊織
にやにやして何考えとったん?
伊織
すけべ
廉(兄ちゃん)
う…
……図星。
廉(兄ちゃん)
いや、まあ…
廉(兄ちゃん)
変なこと思い返してたのは認めるけど……
伊織
認めるんや…
伊織がトーストを口に運ぶ。
さく、と音がした。
廉(兄ちゃん)
食べ方綺麗だね〜…
廉(兄ちゃん)
(……口ちっちゃいなあ…)
伊織
…ん
伊織
そのへん気い付けないと…
手で口を軽く押さえ、
垂れないように上手に食べている。
伊織
……今更こんな話してどしたん?
伊織
別にいつも通りやろ?
廉(兄ちゃん)
うん、まあね…
廉(兄ちゃん)
上品だなあって思って
伊織
ふふ…うれし
廉(兄ちゃん)
すぐ人のこと誘うくせにさ
伊織
…その話今関係あらへんし