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月影 未彩
月影 未彩
図書館で、未彩が寝ている
それはもう、すやすやと寝息を立てて、幸せそうである
そんな未彩の隣に座る少女
本李 遥花
本李 遥花
遥花は未彩をじっと眺めており、人差し指を突き出した手をそろそろと未彩に近付ける
ツンツン
肩を突きながら、遥花は未彩の耳元で囁く
本李 遥花
本李 遥花
月影 未彩
遥花の呼びかけに反応したのか、未彩がもぞっと動く
月影 未彩
そう問いつつも未彩の顔は机と向き合っている──
要するに伏せて寝ている
本李 遥花
本李 遥花
その返答を聞くと未彩はむにゃむにゃと音を立てながらこう呟く
月影 未彩
本李 遥花
もぞもぞと動きを見せていた未彩は次第に動かなくなり、すーすーと寝息を立て始める
本李 遥花
本李 遥花
遥花はトントンと肩を叩く
月影 未彩
未彩はもぞっと動き、再び寝言を言う
月影 未彩
本李 遥花
月影 未彩
本李 遥花
本李 遥花
未彩のそばには一冊の小説があった
そのタイトルは、『恋を、感情を、教えてください』
本李 遥花
月影 未彩
再びもぞっと動いた後、寝息を立てる未彩
未彩が動いたことで、頭の下にもう一冊の本が見えていた
枕にして寝ていたのだろう
本李 遥花
すると、再びもぞもぞと未彩が動き出す
月影 未彩
月影 未彩
月影 未彩
本李 遥花
本李 遥花
本李 遥花
辛辣だな
来栖 零夜
寝ている未彩と寝言と会話する遥花に、1人の少年が話しかける
来栖 零夜
図書館で手伝いをしている零夜が恐る恐る話すと、遥花は声の主を見ようと振り返る
振り向き、少年の顔を視界に捉えた瞬間、遥花の心臓が脈打つ
──ドキッ!
雷に打たれたような
突風に吹かれたような
フラッシュを炊かれたような
そんな衝撃が遥花を襲った
本李 遥花
来栖 零夜
来栖 零夜
来栖 零夜
来栖 零夜
本李 遥花
遥花は我に返るが、まだ混乱しているようだった
本李 遥花
いくらなんでも混乱しすぎ
来栖 零夜
来栖 零夜
零夜が引き止めようとするが、それより先に遥花の能力が発動する
本李 遥花
遥花が唱えると、手には青い、デジタルのようなナイフが現れる
ドスッ
遥花は未彩の背中にナイフを振り下ろす
月影 未彩
その衝撃で未彩は起きる
むしろ死なないだけマシである
本李 遥花
本李 遥花
遥花は未彩を引っ張ろうとするが、未彩は痛みに耐えつつ起き上がる
月影 未彩
月影 未彩
月影 未彩
遥花は寝てないぞ
月影 未彩
お前はなんで生きてるんだよ
本李 遥花
率直な悪口
月影 未彩
月影 未彩
月影 未彩
本李 遥花
ちょっとしたことから起こる喧嘩はどんどんエスカレートする
いや、ちょっとじゃないか
本李 遥花
月影 未彩
月影 未彩
本李 遥花
それはそうだ
喧嘩を始める未彩達を窘めるように零夜が声を出す
来栖 零夜
だが二人の言い合いは止まらない
本李 遥花
月影 未彩
止まるどころかヒートアップして声が大きくなる2人
そんな2人を見て零夜はワナワナと震えだす
零夜の周りの温度が上がっていく
そしてゆっくり手を伸ばし、大声を出す
来栖 零夜
来栖 零夜
ボン!!!
月影 未彩
本李 遥花
零夜の手の先からは爆発が起こった
零夜の能力は原子操作能力
今回の場合、炭素の熱を上げ炎を起こし、手の先に集めた水素に発火させた
水素は燃える性質にあるため、水素爆発が起こった
餘埜瀬 香羅
音を聞き付けた少女が奥からやってくる
餘埜瀬 香羅
餘埜瀬 香羅
彼女は餘埜瀬(あまのせ)香羅(かぐら)
麗流楼水に来る前から零夜と仲が良く、辛いことがあったときも支え合っていた
麗流楼水に来てからは、図書館の館長を務める香羅を、零夜がよく手伝っている
来栖 零夜
来栖 零夜
餘埜瀬 香羅
餘埜瀬 香羅
餘埜瀬 香羅
そんなことしてんの?
来栖 零夜
香羅と零夜が話しているところに、遥花が恐る恐ると入り込む
一目惚れした相手を助ける意味もあるだろうか
本李 遥花
本李 遥花
本李 遥花
餘埜瀬 香羅
本李 遥花
遥花はバシッと未彩を叩く
月影 未彩
月影 未彩
本李 遥花
バシッ
月影 未彩
本李 遥花
本李 遥花
遥花は未彩の頭を押さえつけながらお辞儀する
餘埜瀬 香羅
本李 遥花
遥花は未彩を連れて図書館から出ていく
餘埜瀬 香羅
餘埜瀬 香羅
餘埜瀬 香羅
来栖 零夜