テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

月影 未彩

zzz

月影 未彩

zzzz

図書館で、未彩が寝ている

それはもう、すやすやと寝息を立てて、幸せそうである

そんな未彩の隣に座る少女

本李 遥花

本李 遥花

……

遥花は未彩をじっと眺めており、人差し指を突き出した手をそろそろと未彩に近付ける

ツンツン

肩を突きながら、遥花は未彩の耳元で囁く

本李 遥花

本李 遥花

おーい、図書館で寝るなー

月影 未彩

んんぅ…

遥花の呼びかけに反応したのか、未彩がもぞっと動く

月影 未彩

んぇ、朝ぁ?

そう問いつつも未彩の顔は机と向き合っている──

要するに伏せて寝ている

本李 遥花

今は昼だよ

本李 遥花

朝なんかとっくに過ぎた

その返答を聞くと未彩はむにゃむにゃと音を立てながらこう呟く

月影 未彩

あと86400秒寝かせて……

本李 遥花

丸1日居座る気かよ

もぞもぞと動きを見せていた未彩は次第に動かなくなり、すーすーと寝息を立て始める

本李 遥花

(こいつ……)

本李 遥花

おーい

遥花はトントンと肩を叩く

月影 未彩

んぅ…

未彩はもぞっと動き、再び寝言を言う

月影 未彩

うぅ……もう…書けない……

本李 遥花

どんな夢見てんだよ

月影 未彩

恋感情…書きたく…ない…

本李 遥花

恋感情って何…

本李 遥花

ん?

未彩のそばには一冊の小説があった

そのタイトルは、『恋を、感情を、教えてください』

本李 遥花

…これの夢見てるのか

月影 未彩

んん…

再びもぞっと動いた後、寝息を立てる未彩

未彩が動いたことで、頭の下にもう一冊の本が見えていた

枕にして寝ていたのだろう

本李 遥花

英語の…本?

すると、再びもぞもぞと未彩が動き出す

月影 未彩

んんぅ…

月影 未彩

I am clever…!

月影 未彩

OK!?

本李 遥花

本李 遥花

You are fool.

本李 遥花

Fool Mia.

辛辣だな

来栖 零夜

あ、あの……

寝ている未彩と寝言と会話する遥花に、1人の少年が話しかける

来栖 零夜

と、図書館では寝ないでいただけるとありがたい…です…

図書館で手伝いをしている零夜が恐る恐る話すと、遥花は声の主を見ようと振り返る

振り向き、少年の顔を視界に捉えた瞬間、遥花の心臓が脈打つ

──ドキッ!

雷に打たれたような

突風に吹かれたような

フラッシュを炊かれたような

そんな衝撃が遥花を襲った

本李 遥花

…………

来栖 零夜

……?

来栖 零夜

え、えっと…

来栖 零夜

と、図書館で寝ると、他の人に迷惑…なので…

来栖 零夜

起きて、ほしいです…

本李 遥花

……っあ、は、はい…

遥花は我に返るが、まだ混乱しているようだった

本李 遥花

この馬鹿はすぐに殺しますんで…

いくらなんでも混乱しすぎ

来栖 零夜

え……?

来栖 零夜

あ、いや…そ、そこまでしなくても…

零夜が引き止めようとするが、それより先に遥花の能力が発動する

本李 遥花

『数操能力ー起動ー』

遥花が唱えると、手には青い、デジタルのようなナイフが現れる

ドスッ

遥花は未彩の背中にナイフを振り下ろす

月影 未彩

ガハッ…

その衝撃で未彩は起きる

むしろ死なないだけマシである

本李 遥花

馬鹿は殺した…!

本李 遥花

これでもう帰りますんで…!

遥花は未彩を引っ張ろうとするが、未彩は痛みに耐えつつ起き上がる

月影 未彩

いっっったぁぁい……!

月影 未彩

遥花ぁ!

月影 未彩

いくら遥花が寝ぼけてるとはいえ、背中にナイフ刺さないでよ!

遥花は寝てないぞ

月影 未彩

私じゃなかったら死んでたよ?!

お前はなんで生きてるんだよ

本李 遥花

死ね!!

率直な悪口

月影 未彩

は?

月影 未彩

言ってくれたな己

月影 未彩

その言葉そっくりそのまま着払いで返品するわ!

本李 遥花

意味わからんわ!

ちょっとしたことから起こる喧嘩はどんどんエスカレートする

いや、ちょっとじゃないか

本李 遥花

大体ね、未彩はいつも僕に仕事任せすぎなの!

月影 未彩

はぁ?!

月影 未彩

仕事は協力してこなすものでしょ!!

本李 遥花

僕は巫女じゃないんだよ!!

それはそうだ

喧嘩を始める未彩達を窘めるように零夜が声を出す

来栖 零夜

あの…喧嘩…し、しないで…

だが二人の言い合いは止まらない

本李 遥花

お前はいつもいつもマイペースでこっちに迷惑がかかってんの!

月影 未彩

それはこっちのセリフだよ!

止まるどころかヒートアップして声が大きくなる2人

そんな2人を見て零夜はワナワナと震えだす

零夜の周りの温度が上がっていく

そしてゆっくり手を伸ばし、大声を出す

来栖 零夜

静かに……

来栖 零夜

しろ!!

ボン!!!

月影 未彩

うわ!

本李 遥花

わあ!

零夜の手の先からは爆発が起こった

零夜の能力は原子操作能力

今回の場合、炭素の熱を上げ炎を起こし、手の先に集めた水素に発火させた

水素は燃える性質にあるため、水素爆発が起こった

餘埜瀬 香羅

ちょっとちょっとー!!

音を聞き付けた少女が奥からやってくる

餘埜瀬 香羅

零夜なにごと?!

餘埜瀬 香羅

すごい音したんだけど……

彼女は餘埜瀬(あまのせ)香羅(かぐら)

麗流楼水に来る前から零夜と仲が良く、辛いことがあったときも支え合っていた

麗流楼水に来てからは、図書館の館長を務める香羅を、零夜がよく手伝っている

来栖 零夜

あ、か、香羅さん……

来栖 零夜

ち、ちょっと水素爆発させちゃっただけ……

餘埜瀬 香羅

それちょっとじゃない!

餘埜瀬 香羅

前にも言ったじゃん!

餘埜瀬 香羅

危ないから図書館では科学実験しないでって!

そんなことしてんの?

来栖 零夜

いや、今日は実験じゃ…なくて…

香羅と零夜が話しているところに、遥花が恐る恐ると入り込む

一目惚れした相手を助ける意味もあるだろうか

本李 遥花

えとあの……

本李 遥花

ご、ごめんなさい…

本李 遥花

僕らが彼を怒らせてしまって……

餘埜瀬 香羅

え?

本李 遥花

ほら、未彩も謝れ

遥花はバシッと未彩を叩く

月影 未彩

いったぁい…

月影 未彩

遥花がごめんなさい

本李 遥花

お前が寝てたからだ

バシッ

月影 未彩

いたぁい……

本李 遥花

この馬鹿連れて出ていきますので……

本李 遥花

ご迷惑おかけしてごめんなさい

遥花は未彩の頭を押さえつけながらお辞儀する

餘埜瀬 香羅

あ、はい……

本李 遥花

それじゃ…

遥花は未彩を連れて図書館から出ていく

餘埜瀬 香羅

えーと、とりあえずね

餘埜瀬 香羅

零夜も、図書館ではあんまり能力使わないでね

餘埜瀬 香羅

零夜の能力は危ないときがあるから

来栖 零夜

ご、ごめん……

死にたかった子たちの“ゆかい”な生活

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚