俺が芽衣に惚れたきっかけ……
そんなモノない
桃園 芽依
桃園 芽依
芽衣はニコリと微笑む。
1年の陽真はドキッと胸を鳴らせた。
多分、一目惚れというやつだった
菊池 陽真
それから俺は芽衣にアプローチをし続けた
芽衣も満更でもなかったように見えたので
1年の夏__
菊池 陽真
菊池 陽真
桃園 芽依
桃園 芽依
その時は嬉しさが胸がいっぱいで
これから一生、芽衣が俺の隣に居続けてくれるんだと確信していた
付き合ってた頃は自覚してなかったけど
多分、俺は俗に言う「重い」という言葉が似合う男だった
他の人が死んでも、
芽衣だけがいればそれでいい。
芽衣だって、そう考えてるはずだって信じてた
……いや、押し付けていた
芽衣にとって、俺の気持ちがプレッシャーになってることも知らずに__
そして、ある冬の日だった。
菊池 陽真
陽真は校門前に立ちながら、タタタとメッセージを送り続けていた。
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
陽真は何度か電話をかけるが、
芽衣は電話に出なかった。
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
陽真は廊下を進んでいく。
空き教室を通り過ぎたその時だった。
「ねぇ。やっぱここは人来ちゃうよ」
陽真はピタリと足を止める。
菊池 陽真
空き教室から聞こえている声に耳を澄ませた。
「誰も来ねぇって」
「もー。いつもそれじゃん」
菊池 陽真
菊池 陽真
男と2人きりで空き教室にいること
その時の俺はその事実だけで
プツン、と俺の中の何かが切れた。
ガラララ!!
勢いよく陽真は教室のドアを開けた。
菊池 陽真
芽衣と見知らぬ男が窓際でキスをしていた。
菊池 陽真
桃園 芽依
芽衣はバッと男から離れた。
桃園 芽依
桃園 芽依
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
桃園 芽依
芽衣は真っ青な顔で陽真から目を逸らした。
菊池 陽真
菊池 陽真
芽衣は涙ぐみながら、こくりと頷いた。
菊池 陽真
ドンッと頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。
陽真はクルッと方向を変え、教室から出ていった。
芽衣の呼び止める声が後ろから聞こえたが、
陽真の耳には入らなかった。
菊池 陽真
菊池 陽真
菊池 陽真
その時の俺から先に出てきたものは
涙ではなく、
吐き気だった。
菊池 陽真
陽真は口元を抑えながら廊下を進んでいく。
その時、角を曲がるとドンッと誰かとぶつかった。
菊池 陽真
尾瀬 一颯
菊池 陽真
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
菊池 陽真
安堵からぶわっと涙が溢れ出てきた。
尾瀬 一颯
菊池 陽真
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
次の日から
芽衣が部活に来ることはなかった
直接話し合うことも出来ず、
芽衣にはLINEで別れを告げ、
俺たちの関係は終わった。
菊池 陽真
陽真は昔のことを思い出し、表情を曇らせた。
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
菊池 陽真
菊池 陽真
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
それは一颯が強いからだろ……
俺は弱い人間だから__
尾瀬 一颯
陽真はビクリと肩を震わせた。
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
菊池 陽真
一颯はため息をつきながらその場に立ち上がった。
尾瀬 一颯
菊池 陽真
尾瀬 一颯
尾瀬 一颯
菊池 陽真
一颯の言う通りだ……
尾瀬 一颯
一颯はクルッと陽真から目を向け、出口に向かって歩いていく。
陽真はその背中をじっと見つめていた。
一颯の言うことは正しい
……たしかに、俺は何も成長していない
涌井や、桐山……
倉見、一颯、光、志保__
俺以外、皆どんどん先へ行っていく
そんな皆は、キャプテンの「菊池陽真」を信じてついてきてくれる
だけど本当の俺は___
ずっと昔のことに縛られたままだ。
こんな俺より、前を向いて好きなものを好きという志保の方が
何倍もかっこいいよな。
バァンッッ
菊池 陽真
大きな音を立てて屋上の扉が開く。
水木 光
水木 光
光は息の上がった様子で陽真の元へ駆け寄った。
菊池 陽真
菊池 陽真
水木 光
水木 光
水木 光
水木 光
水木 光
菊池 陽真
菊池 陽真
水木 光
水木 光
菊池 陽真
今の状態で光に会いたくないってのに……
水木 光
菊池 陽真
陽真は目を丸くさせた後、
ニコッと笑った。
菊池 陽真
菊池 陽真
水木 光
光は顔をほんのり赤くさせた。
菊池 陽真
陽真は光のことをじっと見つめ、
口を開けた。
菊池 陽真
菊池 陽真
コメント
2件
おぉっ、これまでの陽真くんじゃ有り得ない言動!! 率直に聞くねぇ⁉️ さぁ、光ちゃん、どう答える?!
きたきた!陽真くん、気持ち伝えるのか…??? 続き楽しみです!