しばらく経つと、俺は退院した。
退院して、一番初めに会ったのは…
すまない先生
あの七人だった。
何故だろう。
日々、こいつらに会うのが当たり前になってきている気がする。
何か……心地良い。
Mr.赤ちゃん
Mr.レッド
Mr.銀さん
Mr.マネー
Mr.マネー
Mr.ブラック
Mr.バナナ
すまない先生
すまない先生が俺に声をかける。
名前は覚えたばかりだった。
Mr.レッド
すまない先生
すまない先生
Mr.レッド
Mr.ブルー
Mr.レッド
Mr.レッド
来た場所は何かの会場のような場所だった。
すまない先生
すまない先生
すまない先生
Mr.レッド
俺は思わず息を呑んだ。
ーー元の俺が…いた場所。
何故か懐かしい。
話によると、彼らが活動していたのは「共同アトリエ」だそうだ。
壁には笑顔の写真、壊れた道具、半端な作品。
これ全部が、"元の思い出"。
そう思うと今の自分が少しだけ、情けなくなった。
俺は元のレッドにはなれないのだから。
完璧な人間になって、誰にでもなることができるようになれたら。
そんな叶わないことを俺は思った。
"過去の自分"の痕跡だらけの空間で、俺だけが「今」に取り残されていた。
Mr.赤ちゃん
Mr.レッド
Mr.銀さん
Mr.ブルー
今度はブルーが口を開く。
確かこいつは俺の弟だと言った。
それすらも全く記憶には無いが。
Mr.ブルー
Mr.ブラック
Mr.バナナ
Mr.マネー
すまない先生
多分ブルーは俺のことを思って言ってくれたのだろう。
でもその感謝は、俺からしたらただのありがた迷惑だ。
俺に優しくしないでくれ。
余計に自分が情けなくなるから。
Mr.レッド
気がつけば、俺は静かに首を振っていた。
Mr.バナナ
バナナはブルーに冷静に言った。
だがブルーは諦められないのか、
Mr.ブルー
今にも言い争いが始まりそうな雰囲気に、俺は焦りを覚えた。
早く、この喧嘩を止めないと。
そこに銀さんが仲裁する。
Mr.銀さん
Mr.銀さん
その声はその場に響き渡った。







