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コメント
3件
おお…なんて味わい深い始まり… 分の一つ一つに目を惹かれる、最高の構成ですね! 続きがとても楽しみです!
オォ(*˙꒫˙* )✨めっちゃ楽しみ...! それにしても最後の言葉が気になりますね...ナチさんも国の化身なんでしょうか...?
⚠ATTENTION⚠
・実験施設、人外、能力者パロ ・センシティブなし ・なんでも許せる方向け ・まだ腐向け要素はありません
⚠️戦争賛美、政治的な意図、政治思想、 思想的な主張は決してございませんのでご了承ください ⚠️史実とは一切関係ありません ⚠️史実ネタでもございません ⚠️すべて、私の妄想です
では、どうぞ⬇
重たい鉄扉が、低い音を立てて閉まった。
その音は、やけに長く耳に残った。 まるで「ここから先にはもう戻れない」と、念を押されているようだった。
ナチスは一度だけ振り返る。 だが、すでに扉の向こうに人の気配はない。 案内してきた職員も、警備兵も、誰も残っていなかった。
代わりに目の前に広がっていたのは、白く無機質な廊下。 天井の蛍光灯だけが、やけに明るい。
――ここが、“施設”。
人間ではない存在を保護し、研究し、そして管理する場所。
ポケットの中で、金属の感触が触れる。 さっき渡された鍵だ。 それと一緒に、分厚い名簿も押し付けられた。
ナチスは小さく息を吐き、廊下の壁にもたれかかった。
ナチ
口に出してみても、実感は湧かない。
人間の姿をした、別の何か。 そう説明されたが、正直なところ、まだ半信半疑だった。
だが――。
あの男。 この施設のボスらしき人物。
あの冷たい笑い方を思い出すと、冗談では済まない気がしてくる。
ボスらしき人物
低く、よく通る声だった。
ボスらしき人物
ボスらしき人物
ボスらしき人物
投げるように鍵と名簿を渡して、男は去っていった。
一度も振り返らずに。
ナチ
ナチスは小さく呟く。
こんな場所で“自由”なんて言葉を使われても、笑えない。
名簿を開く。
最初に目に入ったのは、写真。 その下に、名前。 さらにその下に――機密情報。
能力。 危険度。 拘束レベル。 処分許可の有無。
ナチ
思わず、声が漏れた。
ページをめくる。 もう一枚。 さらにもう一枚。
どれも、人間とは思えない記述ばかりだ。
黒ランク。 赤ランク。 白ランク。
危険度分類まで存在している。
その中で――。
ナチスの指が、あるページで止まった。
ソ連。
危険度:黒。
備考欄。 そこには、他より明らかに長い文章が並んでいた。
だが、読み切る前に。
――ガンッ。
どこかで、鈍い音がした。
ナチスは顔を上げる。
廊下の奥。 観察室の並ぶエリア。
照明が、少しだけ暗い。
ナチ
行くしかない。
ここで立ち止まる理由はない。 逃げたところで、どうなるかは想像がつく。
ナチスは名簿を閉じ、脇に抱える。 鍵を握り直し、歩き出した。
一歩。 二歩。
施設の奥へ進むほど、空気が冷えていく気がする。
やがて… 重たい扉の前に、たどり着いた。
プレートには、番号だけが書かれている。
――中に、“国の化身”がいる。
ナチスは、一瞬だけ目を閉じた。
そして、鍵を差し込む。
カチッ、と小さな音。
ゆっくり、扉を開ける。
暗い室内。 薄く差し込む光。
鉄格子の向こう側。
――人影。
その影が、ゆっくりと動いた。
そして。
確かに、こちらを睨みつけた。
人間の目じゃない。 そう、本能が告げる。
それでも。
ナチスは、視線を逸らさなかった。
ナチ
静かに、言う。
ナチ
返事はない。
だが。
空気だけが、わずかに張り詰めた。
――こうして。
ナチスと、“国の化身”たちの生活が始まった。
そして、まだナチは知らない。
自分自身もまた―― 観察対象であることを。
To be continued…