残香に焦燥を抱き

キメツ学園高等部

今日はキメツ学園の入学式。

中高一貫で高等部に移動しただけだから メンバーはそんなに変わらないけど

ﾄﾞﾝｯ

すっごい大きな男の人

えぇ...

振り返るともう宇隋先生は居なかった。

ザワザワ

教室では自分達の担任の噂でもちきりだ

先生凄いなあ。 初日でもう人気者だ

先生からは無邪気の匂いがする。 悪意を一切感じられない

クラスから笑いが起こる

再び笑いが起こる

次は俺の番だ。 緊張するなあ

炭二郎は自分をすかさずフォローしてくれた煉獄の方を見る

あっ、目が合った

炭二郎と目が合った煉國は ニコッと微笑む

ﾁﾘﾝ

なんだ今の感覚。

懐かしいような。そんな気分

顔赤くなってないかな。

炭二郎は顔が火照るのを感じる

凄くカッコよかった

入学から2ヶ月経ち、 炭二郎達も学校に慣れてきた頃

炭二郎は学級委員になり仕事を卒なく こなしていた

社会準備室

先生は俺にだけ｢少年｣を付けて呼ぶ

最初は何でわざわざ付けるんだろう なんて思っていたけど

今は少年を付けて呼ばれないと違和感を感じるぐらいになってしまった。

炭二郎に煉國が微笑みかける

ﾁﾘﾝ

何だろうこの感覚。

煉國先生に微笑みかけられたり 目が合ったりすると 懐かしい気持ちになる

この少年は弱くない 侮辱するな

炭二郎は苦笑する

ドアに手をかける

今名前で呼ばれたような。

煉國は炭二郎の腕を掴んだまま 何かを言いたそうに口を パクパクしている

先生は何か恥ずかしいことがあったり 都合が悪い質問が来たりすると いつもこうやってはぐらかす

ゴンッ！！

焦ったように机に戻り足をぶつけた 煉國先生からは

少し寂しそうな匂いがした。