コメント
3件
大学まで香坂をストーカーしたあの日から、
七日ほど経過していた。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
そこが一番の問題点だ。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
そんな独り言を零して大きく伸びをする。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
ふと脳裏を過ったのは、
”管理人”の言葉。
一年前、
とある掲示板に書かれた人が
凄惨な死を迎えるという事件があった。
そのとき、
犯人には”管理人”という名前が付けられ
オカルト好きの間で大変話題となっていた。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
そして、スマホを開いて検索をかける。
もちろん、代々的に殺してほしいと呟いているモノは無いし、
実名を付けての呟きも無い。
だが、遡って調べれば
殺意を向けている対象は
安易にわかるものである。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
・
・
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
真っ暗な部屋に明かりを点ける。
(仁)瀧澤希余
ローテーブルの上に置かれたメモには、
”ちょっと買い物に行ってきます”
”晩御飯はいりません”
”帰りが遅いようだったら先に寝ててください”
そう書かれていた。
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
そう呟いて、
ニヤリと笑みを浮かべた。
・
・
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
チラリと鞄に視線を落とす、
その中には高出力のスタンガンが入っている。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
対象が会社から出てきたのを見て、
その背後、2メートルほど距離を開けて付いて行く。
車では無く電車通勤なのが助かった。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
電車に乗った川原は
大きな欠伸を噛み殺し、
スマホでゲームしているようで
こちらの存在に全く気が付いていないようだった。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
電車を降りて、
電気のすっかり消えた商店街を抜け、
自宅にたどり着いた。
古いアパートで
監視カメラの類など無いようだった。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
玄関を開け、
靴を脱ぎ、
後ろ手で玄関を閉めようとしたところで
一気に距離を詰めた。
川原益夫
バチバチッ!
川原益夫
振り返る隙も無く、
スタンガンを押し当て気絶させた。
素早く玄関を閉めて、
鍵をかける。
(希余)香坂仁
そのままズルズルと部屋まで運び、
その両手足をネクタイで拘束し、
口元に粘着テープを貼りつけた。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
台所に向かうと
使い込まれた包丁が二本あった。
(希余)香坂仁
包丁を掴む。
ゾワリと背筋を走ったのは、
悪寒ではない。
感じたことのない高揚感。
心の底から沸き上がる
”早く殺したい”
という異常な感情。
(希余)香坂仁
鼓動が呼吸が早くなる。
アドレナリンが物凄い勢いで出ているのが手に取るようにわかる。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
薄汚れたカーペットの上に転がっている
殺すべき対象。
(希余)香坂仁
何度か深呼吸をする。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
包丁を逆手に持ち、
高々と振り上げる。
”さぁ早く殺しましょう”
”真っ赤な血は美しいんです”
”人の悲鳴を聞くと心安らかになるんです”
”赤い血を見ましょう”
”綺麗ですよ?”
”さぁ早く早く”
”殺しましょう”
(希余)香坂仁
幻聴だとわかっている。
わかっていながら、
叫んでしまった。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
”ね?”
”だから”
”殺しましょう?”
(希余)香坂仁
ピロンッ♪
(希余)香坂仁
ピロンッ♪
ピロンッ♪
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
それでも
心のどこかで
助かったと思った。
殺そうとしたのは、
自分なのに。
・
・
リョーコ
リョーコ
リョーコ
リョーコ
リョーコ
リョーコ
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
悲しい気持ちで一杯なのに、
喉の奥が痛いほど悲しいのに、
不思議と涙は零れない。
キヨ
キヨ
リョーコ
キヨ
リョーコ
キヨ
リョーコ
リョーコ
キヨ
リョーコ
リョーコ
キヨ
リョーコ
キヨ
リョーコ
リョーコ
キヨ
キヨ
リョーコ
リョーコ
キヨ
リョーコ
キヨ
・
・
手から包丁が転がり落ちる。
(希余)香坂仁
息を吐き、
その場に座り込んだ。
(希余)香坂仁
川原益夫
川原は気が付いたらしく、
大きく目を見開いてこちらを見た。
川原益夫
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
川原益夫
(希余)香坂仁
そして、
優しく微笑み
床に落ちた包丁を拾い上げる。
川原益夫
(希余)香坂仁
川原益夫
(希余)香坂仁
大きく見開かれた目に、
包丁が映る。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
川原益夫
振り下ろした包丁は、
カーペットを貫き、
床板まで深々と突き刺さった。
川原益夫
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
川原益夫
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
川原益夫
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
川原益夫
(希余)香坂仁
川原は何度も大きく頷いて見せた。
(希余)香坂仁
そして、
泣き出しそうな顔になっている川原に向かって微笑み、
手を振ると部屋を後にした。
・
・
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
仁は食べ終わったお皿を洗っていた。
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
言われるまま
テーブルの前に腰を下ろす。
程なくして熱々のハンバーグが運ばれる。
鼻先をくすぐる良い匂い。
(希余)香坂仁
一口食べ、
口の中に広がる美味しさが
疲れた心と身体に沁み渡る。
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
空になった皿を持ち上げ、
台所に向かうため背中を向けた瞬間、
バチバチッ!
(仁)瀧澤希余
崩れるように倒れる自分の身体を抱き留める。
手から滑り落ちた皿が割れたが、
気にしなかった。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
・
・
ザーーーーーッ……
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
浴槽にそっと瀧澤希余を座らせる。
出しっぱなしの冷たいシャワーの水が、
希余と仁の身体を濡らす。
香坂仁の身体は、
結束バンドで手足を拘束した。
(希余)香坂仁
大きく息を吐く。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
握りしめたスタンガンを見つめる。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
そんな淡い期待を込めて。
スタンガンの電源を入れた。
バチバチッ
(希余)香坂仁
・
・
願わくば、
香坂仁より先に
目が覚めますように…。
・
・