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前編です! うさぎさんの嘘とは? うさぎさんの元気がない原因とは? 後編もこのままどうぞ!
唯斗
なんも考えないって、
なんて気持ちがいいんだろう。
ごたごたなにかを考えない時間。
僕はこの時間が好きだ。
ざざーん
ざざーん
波の音を聴く
だけ。
背後から急に声をかけられて、
この世界に引き戻される。
すこしウェーブがかかった、 ぎりぎり肩にかかるかぐらいの髪の毛。
すべてを包み込むような深い黒の目。
美人だな。 そう思う。
唯斗
唯斗
今は2時ぐらいだろうか。
昼ごはんでみんながワイワイしてる間に、 抜け出してきた。
この女は私服だ。
唯斗
そういって、この女は、笑った。
そして、なんとなく 話すこともなくなって、
この女は、去っていった。
次の日も、この女はやってきた。
唯斗
うさぎ
唯斗
唯斗
うさぎ
唯斗
うさぎ
唯斗
うさぎ
うさぎ
うさぎ
唯斗
うさぎ
そこで会話は終わり、 二人で前を向いて、
海を見つめた。
しばらく二人でぼーっとしたあと、
うさぎさんは
うさぎ
と、去っていった。
唯斗
うさぎ
うさぎ
うさぎ
唯斗
うさぎ
唯斗
唯斗
唯斗
うさぎ
うさぎさんは、 すこし寂しそうに笑った。
ざざーん
うさぎ
唯斗
うさぎ
唯斗
返事はしたものの、
意味は分からなかった。
先生
あぁ、はやく海に行きたい。
先生
唯斗
先生
にやにやしている。
話聞いてないと思ったんだろうな。
唯斗
先生
すこし、ほくそ笑んだ。
うさぎ
という話をうさぎさんにした。
最近はここに来てうさぎさんと喋るというのが、
普通になっている。
癖のないさっぱりとした声は、
聴いてて心地よい。
あの、嘘でできているといううさぎさんの言葉は、
なかったように話す。
うさぎ
うさぎ
唯斗
うさぎ
うさぎ
太ももに乗せたスケッチブックに 目を落とす。
唯斗
唯斗
うさぎ
ふふふっと笑っている。
うさぎ
パレットの青をとり、
白い世界に乗せていく。
唯斗
唯斗
うさぎ
唯斗
唯斗
お母さんはからだが弱いのに、 ろくに病院にも連れて行かずに
こんなことを言ってきて……
うさぎ
唯斗
唯斗
もくもくした雲を描く。
うさぎ
うさぎ
急に声のトーンが変わったから、
何かと思ったら、
海の遠いところを見ていて、
その横顔は少しさみしそうだった。
うさぎ
唯斗
最近は僕が帰るときになったら 一緒に帰る……という感じだったのに。
うさぎ
弱々しく微笑んだ。
なにか、悩みごとでもあるのだろうか。
この絵をプレゼントしよう。
唯斗
仕上げてから帰ることにした。
続く