君とみた海
吸い込まれるほど青かった
君の瞳みたいだと
いつもの場所でボソッと呟く
幼なじみだった私たち
高校が別々になって
「またここで会おう」と
約束した日を覚えてる
私は、何度も待ち続けてきた
けど
──君はこなかった
もう社会人だけど
鮮明に記憶されてるのは
君といた夏
儚くて、脆い、ただの夢
それはただの幻で
地平線を見つめながら、このままがいいと思う
それぞれが、自分たちの道を歩く
君の未来を決めるのは私じゃない
同じく、私の未来は私にしか決められない
それでも、少し後悔してるんだ
カモメが鳴く
切なさが自然と、涙になってこぼれ落ちる
今日もきっと君はこない
深い青の前で
私は独り、声をもらす
嘘つきだったんだ、私たち
青い海の前で
少女が独り
カモメの鳴く空に
想いを寄せていた