TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
お題に挑戦シリーズ

一覧ページ

「お題に挑戦シリーズ」のメインビジュアル

お題に挑戦シリーズ

7 - その愛(狂気)は君のために【1】

♥

11

2020年06月27日

シェアするシェアする
報告する

総二郎

はぁ……

総二郎

最近全く良いことないな…

僕は近頃ついてない

この前の定期テストでは範囲外の所を勉強していて点数が取れなかったのだ

返されなくても分かってしまう 恐らく点数としては60程度なんだろう

それだけじゃない

バイト先では先輩のミスが僕のせいになりそれは違うと抗議しても聞く耳を持ってくれない事があったのだ

そのおかげで僕は厳しい監視の目がついた

この上なく作業がしにくかった

でもまぁ、正直今抱えてる問題よりかは 圧倒的に軽い気がしてならない

今僕が抱えてる問題それは…

ストーカーの被害である

バイトの帰りは大体誰かに見られてる感じがしてならない

振り返る勇気もないのでとにかく早足で 家に帰るしか無かった

どうせ僕の家なんかはストーカーなんて しなくともとっくに割り出してそうだし

気持ちが悪いことには変わりないけど 今のところこれといった直接的な被害は 出ていないので我慢はしてる

しかしやはり誰かに見られ続けてるというのは精神的にくるものなのだろう

何処にいても疲れが取れない

家に着けばその視線は感じなくなる

けれどもまだ見られる可能性が…

なんて考えてしまい休めないのだ

この状態が続けばいずれ僕は狂うだろう

いつかはそのストーカーについての 対処も考えておかないといけない

とにかく今は少しでも休みたい なのですぐに家に帰り風呂に入り そしてベッドに入って寝たい

寝ればそんな事考えなくて済むのだから 寝てる時が1番ストレスが無いだろう

そんなことを考えながらいつもの道を帰る

やはり今日も何者かに見られてる

ザッザッザッ……

カツンカツンカツン……

明らかに僕以外の足音がある 音的にはヒールのようなものだろうか

僕のような高校生を狙う大人の女性とは 世も末である気がする

総二郎

今日は少し寄り道しようかな

総二郎

夜なのに暑いしアイスでも買って帰ろう…

この行動はあることを知るために 今日初めてやってみた

コンビニなどの人目の多い場所ならば ストーカーは着いてこなくなると思ってるからだ

仮に着いてきたとしても足音でわかる こんな夜中にヒールのようなものを履いてる人なんてそうそういないだろうから

しかも僕が今から行くコンビニは 今の時間帯ほとんど人が来ないのである

そんな中で僕が入ったあとに誰か入れば その人が僕をストーカーしてる人と判別 することも可能なんではないかと考えた

コンビニに着きアイス売り場に向かう ここですぐには買わずにまず選ぶ風を装う

その後に雑誌コーナに向かう コンビニの雑誌コーナは大体窓付近だ

ここにいればどんな人が入ってくるか 見ることが可能なのだ

そのうえで雑誌コーナに居るので 雑誌を選んでる様にも見える

ここで少し時間を使う その時間内に現れなければどうにか 巻いたことになりそうだ

コンビニに入り少ししたが 誰かが入ってくる様子がない

これは巻いたと言っても良さそうだ それからアイスを買い外に出る

念の為になるべく明るく一通りの多い場所を通って家にと帰りその日はそのまま就寝

翌日

朝起きて朝食を食べ歯を磨き 身支度を整える

学生や働く人の朝は忙しいのだ

忘れ物がないかを確認して家を出る

夜とは違いやはり安心する

朝方からストーカーに追われるなど やってられない

最寄りのバス停でバスに乗りそのまま 駅に行き電車に乗る

自宅からは少々遠い学校に通っている 僕がそこに行きたかったからだ

この程度の距離なら通える

とはいえやはり朝方は人が多いのだ 俗に言う通勤ラッシュである

その時間帯に当たってしまうと終わりだ 人が多すぎて降りれない時もあったものだ

その中での僕の癒しは同じ学校に通う ある女の子を見ることだ

もちろんずっと見るのは気持ち悪いし チラチラなんてもっと気持ち悪い

視界に移ったらラッキーくらいの 感覚である

その子は黒髪のロングで 翡翠のような綺麗な瞳に 柔らかそうなその唇

傍から見ても美人であると断言出来る人だ

僕は正直その人に好意を抱いていたが そんな夢物語叶うことは無いので 見るだけで我慢という感じだ

目的の駅を降り少し歩くとそこが 僕の通う学校である

自分の教室を目指して歩く その途中である子に話しかけられた

その子の名前は【彼岸 鏡花】         (ひがん きょうか)

美しい紅色のショートヘアに アメジストのようなその瞳

見た目通りかなり元気な子で 僕のような人にも話しかけてくれる

身長はそこまで高くない僕よりも下だ ちなみに僕は164cmである

それよりも小さい子なんてそうそういないと思ってた

鏡花

ねーねーソージロー!

総二郎

は、はい?

鏡花

朝から元気ないぞぉ?

総二郎

ちょ、ちょっと疲れてるんですかね僕…

鏡花

疲れてるなら寝るのが1番だ!

鏡花

私が寝るのに最適な場所まで連れて行ってやる!

総二郎

いや、そういう訳には……

鏡花

体調を整えないと勉強だって出来ないんだぞぉぉ!!

総二郎

……

総二郎

まぁ、着いてくだけでもいいのなら

鏡花

着いたらきっと寝たくなるぞ!

そのまま断れずに彼女に着いてく と言うよりは連れてかれている

行き着いた先は屋上であった

鏡花

ここだ!

総二郎

ここって…屋上ですよね?

鏡花

そーだが?

総二郎

ここで落ち着くって…

鏡花

落ち着くではなく寝るのだ!

総二郎

ここで寝ろと?

鏡花

私はここで寝るぞ?

総二郎

そ、そうなんですか…

なるほどだから勉強はそれなりにできるのにテストの点数がそうでも無いのか

授業に参加せずに寝てるのなら納得出来る

鏡花

疲れたとかなにか悩んでるなら寝て忘れるのが1番だぞ!

総二郎

学校で寝るのはちょっと…

総二郎

しかもまだ授業すら始まってないから…

鏡花

ならばその授業サボっちゃえ!

総二郎

それはまずいので出席します

鏡花

むー!

鏡花

せっかく話し相手が出来たのにー

総二郎

お昼休み以降なら今日は暇ですし

総二郎

その時にでもまた誘ってくれれば…

鏡花

私は今お話し相手が欲しいのぉ!

総二郎

う〜ん困ったな…

電車の女の子

騒がしいと思ったらまたあなたですか!

鏡花

ゲッ!?【愛川 菜々美】
(あいかわ ななみ)

その子には見覚えがあった

黒髪のロングで翡翠のような綺麗な瞳に 柔らかそうな唇……

完全に僕が知っているあの人だ!

菜々美

わざわざフルネームでなくてもいいでしょ?

菜々美

それよりあなたは授業日数が足りないんでしょ?

鏡花

あぁ!!

鏡花

そうだったそうだった!

鏡花

これ以上サボれないんだったよ!

鏡花

しばらくは大人しくしてるかー

総二郎

あの、ありがとうございます

菜々美

別に大したことしてないわよ

菜々美

それよりあなたも早くしないとダメじゃない?

総二郎

あっ!もうこんな時間!?

菜々美

あなたも遅れないようにね

総二郎

はい!ありがとうございます!

菜々美

あ!生徒手帳落としたよ!

菜々美

行っちゃった……

菜々美

名前は…【神谷 総二郎】
(かみや そうじろう)

菜々美

へぇー……

菜々美

総二郎、て言うんだ……

お題に挑戦シリーズ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

11

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚