コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
両虎人を争って闘えば、 小なる者は必ず死し、 大なる者は必ず傷つく。
–––『戦国策』
街中
あれから僕と虎走さんは ロープで両腕を縛られ 囚われの身になった。
前には百目鬼さん、 後ろは環さんが 僕達を監視している。
久遠
響子
響子
鳴家
夜彦
しかし、虎走さんの言うことは 僕も確かに思っている。
僕達は百目鬼さんには 塔へ行くことを伝えている。
つまり、彼女はただ目先のことしか 見えておらず、口車に 乗せられているだけだ。
だから彼女の単純さを 上手く利用できれば 良いのだが、一歩間違えれば 殺されかねない。
と頭を悩ませていた時だった。
鳴家
響子
2人の変化に気付いて 僕達は歩みを止めると 目の前に以前見た服装の 男が立っていた。
今度は天狗面をしていなかった。
蘭丸
鳴家
響子
流鏑馬さんが話し始めた タイミングで彼の指示により 百目鬼さんがナイフで襲いかかった。
蘭丸
響子
しかし彼は彼女の一手を 紙一重でかわした。
響子
蘭丸
蘭丸
そう言うと彼は不気味な音を立てて 片手から吸い込まれそうな 紫色の渦のような物を生み出した。
夜彦
蘭丸
鳴家
鳴家
鳴家
響子
と彼女の言葉を遮るように 大量の包丁が宙を舞い 銃弾のように彼を撃ち抜いた。
夜彦
僕は思わず声を漏らした。
しかし、目に飛び込んできたのは 刃先が折れ地面に散らばった 大量の包丁だった。
蘭丸
久遠
流鏑馬さんは傷一つなく ヘラヘラしながら ポケットに手を突っ込んで 立っていたのだ。
蘭丸
蘭丸
響子
鳴家
響子
と嬉しそうな顔を浮かべた と思ったその時、 彼女は流鏑馬さんへ 突進しに行った。
蘭丸
蘭丸
響子
響子
すると彼女は彼の右太腿を 鷲掴みすると大きな口を開け 鋭い歯でかぶりついた。
蘭丸
それはまるでチキンを食らう 無邪気な子どものように 彼女は太腿を歯で食い破った。
僕と虎走さんは思わず目を背けた。
それと同時に「今、逃げられる のでは?」と僕は思った。
鳴家
夜彦
環さんがボソッと言った 言葉を僕は聞き逃さなかった。
響子
声のする方を見ると 流鏑馬さんが地面に倒れており 百目鬼さんは膝立ちで 叫んでいた。
夜彦
叫ぶ百目鬼さんの右腕を見ると 紫色のモヤのようなものが 右手の平まで覆っていた。
久遠
恐らく彼の放った暗黒物質が 右手に付着し、その接触箇所 から消滅が始まっていたのだ。
響子
蘭丸
大量出血で朦朧とした 意識で流鏑馬さんは言った。
夜彦
そうこうしている内に 紫色のモヤは彼女の 右手首より少し上くらいまで 蝕んでいった。
響子
と大きく咆哮したかと思った、 その時だった。
彼女は地面に散らばった 包丁の残骸から無事な物を 見つけると...
響子
侵蝕を止めるために 自身の右腕に向かって 思いっきり振り落とした。
響子
大量に滴る鮮血、 彼女は彼のように地面に 大きくのたうち回った。
その光景はまるで 地獄絵図だった。
それに追い打ちをかけるように 彼女の左足に一本の矢が刺さった。
響子
矢の発射場所を探すと それは意外な場所からだった。
鳴家
と落ち着いた表情で話す彼の 指先からクロスボウのような 矢が生成されていた。
夜彦
鳴家
夜彦
夜彦
鳴家
夜彦
鳴家
夜彦
久遠
とその時だった。
ドチュンッ
ドヒュンッ
鳴家
バシュッ
鳴家
???
ドチュンッ
ドヒュンッ
久遠
夜彦
夜彦