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※きっと愛のあるDV要素注意
─骨と骨がぶつかるような、鈍い音。
響の、痛さに顔を歪める表情。
泣き声。叫び声。
響
揺れた真っ黒な瞳には、俺が映る。
こんな状況にして、気持ち悪い程の笑みを浮かべる俺が。
鳴
響
響
─壊れてしまったこの愛情は。
…狂おしい程に、愛おしい。
鳴
鳴
鳴
決まった言葉を並べて、彼を抱きしめる。
すすり泣く彼は、抱き締め返してくれた。
響
何も話さずに。
それでも、ちゃんと愛情は伝わるんだ。
鳴
響
頬にそっと手を当てる。
響はびく、と身体を震わせた。
まだ目に涙が溜まっている。
響
鳴
響
そっと、キスをされた。
薄い唇はほのかに色づいている。
響
鳴
耳元で聴こえる吐息を聴きながら、
そっと目を閉じる。
体温が鮮明に伝わって、暖かい。
鳴
鳴
─で、
そんな昨日があってもなお、
俺は暴力を振るい続けるわけだけど。
響
響が今日も、顔を歪める。
ほろほろと零す涙は。
滲んだ鼻血は。
とっても愛くるしい。
鳴
響
泣きじゃくる響の首に、そっと手をかけた。
鳴
思いっきり、首を締め付ける。
響
響
鳴
鳴
響
苦しいね。ごめんね…
そんな言葉を脳内で呟き、手を離してあげる。
響
響
響
そう呟いた彼の目には、光は入っていない。
ゆらゆら揺れる瞳には、いつものように俺が映る。
鳴
鳴
響
緩んだ響の唇に喰らいつく。
鉄のような血の味が混ざる、
複雑な味だった。