湊
さてと、まずは…
湊
図書館でも行くか?
ユリ
図書館?どうしてですか?
湊
ほら、何かヒントになる本があるかもしれないだろ?
ユリ
あぁ、そうですね
ユリ
じゃあ行きましょう
図書館
湊
そう言えばさ…
ユリ
はい?
湊
お前って周りから見えてるのか?
ユリ
考えたこと無かったです…
湊
でも、皆反応してないよな?
ユリ
はい
女子高生
え、何あの人
女子高生
一人で喋ってるよ
女子高生
気持ち悪い…あっち行こ
女子高生
うん…
湊
…………
ユリ
…………
湊
見えてないみたいだな
ユリ
見たいですね…
湊
じゃあ、手分けして本探してみるか?
ユリ
はい!
湊
ユリ~?
ユリ
はい!なんですか?
湊
本は見つかったか?
ユリ
いえ、ヒントになりそうなものは何も…
湊
だよな、俺もだ
ユリ
そんなにすぐには見つからないですよね…
湊
まぁ、気を落とすなよ
湊
で…これからどうする?
ユリ
湊さんは家がありますもんね
ユリ
私は公園とかで寝泊まりしますよ
湊
危ないだろ?!
湊
周りには見えてないんだから、俺の家来いよ
ユリ
良いんですか?
湊
まぁ、俺の家って言っても婆ちゃんの家だけどな
ユリ
じゃあ、やっぱり迷惑なんじゃ…
湊
だ!か!ら!
湊
遠慮すんなって!
俺はユリの腕を掴み、婆ちゃんの家まで連れていった
おばあちゃんの家
湊
よ、婆ちゃん
おばあちゃん
遅かったねぇ
湊
ちょっと色々あってな
おばあちゃん
そうかい、ほらもう夕飯出来てるよ
湊
ありがとな!
湊
って、母さんは?
おばあちゃん
買い物に出かけたよ
湊
ふ~ん、そっか
おばあちゃん
湊は明日帰るんだったかの?
湊
おう
おばあちゃん
分かったよ
湊
あ、ユリ?
おばあちゃん
ユリ…?
湊
あ!何でもない!
湊
今の忘れてくれ!
おばあちゃん
あぁ、分かったよ
湊
じゃあ、2階行ってくるから!
おばあちゃん
はいはい
湊
あ、その辺でくつろいどいて
ユリ
ありがとうございます
湊
お茶入れてくるよ
ユリ
はい!
…………
湊
はい、紅茶飲める?
ユリ
大好きです!
湊
良かった
湊
じゃあ、作戦考えるか
ユリ
分かりました
湊
まず、状況をもう1回考えよう
ユリ
はい
湊
まず、お前は女王に裏切られた
湊
そして、森をさまよってたらこっちの世界に来た…
湊
う~ん…分かんねぇ!!
ユリ
多分あれは、魔法だと思います
湊
魔法?
ユリ
はい
ユリ
私たちの世界は魔法が少しだけ残っているんです
湊
じゃあ、誰かが魔法でユリをこっちの世界へってことか…
ユリ
はい、おそらく…
湊
ユリは魔法使えないのか?
ユリ
あまり得意ではなくて…
ユリ
お花を出す事くらいなら…
湊
なんだそれ
俺はクスッと笑った
ユリ
あ、やっぱりしょぼいですよね…
湊
いや、見たい!
ユリ
ホントですか?
湊
見たいから言ってんだろ?
ユリ
あ、じゃあ少しだけ…
ユリは呪文を唱え始めた
すると、ユリの白い手に百合が出てきた
湊
おぉ、百合!
ユリ
はい、私の名前に合わせて…
湊
この魔法でも充分凄いじゃねぇか!
ユリ
ありがとうございます
ユリは照れくさそうに頬をかいた
湊
あっ!いいこと思いついたぞ!
ユリ
なんですか?
湊
魔法の特訓をするんだよ!
ユリ
特訓…
湊
そうだ、特訓!
ユリ
でも、どうやって?
湊
分かんねぇけど、やってみようぜ!
ユリ
まぁ、湊さんがそう言うなら…
ユリ
私も頑張りますっ!
ユリは控えめにガッツポーズをした
湊
……!
不覚にも可愛いと思ってしまった
ユリ
どうかしましたか?
湊
や、別に…
ユリ
……?
ここから俺達の特訓が始まった