バ ー テ ン ダ ー は 恋 を し た ！

日向が帰った後

そう話しかけられて振り返ると そこには少し楽しそうな顔をした 俺の友達が立っていた。

突然のカミングアウトに驚いて 整理できないが、取り敢えず気に なった事を聞いた。

松川からの返事は…

と、きて俺はさらに驚いて また大きな声で言ってしまった。

松川の事を好きになる女子は何人か 見てきたけど、松川から好きになる 人は恐らくこれが始めてだろう。

しかし、相手が今日入ってきたばかり のバイトとは……

俺がそう言うと、松川は少し笑った あとにこう言ってきた。

この時はまだ、日向の事を恋愛対象 とは見ていなかった。

でも…俺はある日、日向の事を 恋愛対象として見ることになった。

バイトから3日目

そう言って着替えに行く日向を俺は つい眺めてしまう。

松川のせいで、変に意識し始めたな…

松川の発言に心底驚いて声すら 出なくなってしまった。

普通は嫌がる筈なのに、何で松川は 良いよ、って言えるんだよ…

そんな事を思っていると、日向が 帰ってきた。

そう俺が言って頭を撫でると日向は 嬉しそうに笑ってこう言った。

その時の日向の笑顔を見て、俺は 何とも言えない気持ちになった。

その気持ちに気づくのは早かった。 そう、俺は日向に恋をした。

あれだけ否定しておきながら 好きになるとはな…。

そんな事を思いながら、俺は赤くなった 顔を隠しながらカウンターに入った。