⚠️この作品はnmmnです ご本人様とは何の関係もございません!
基本、何でも大丈夫な方向けとなっています
それでは本編どうぞ!
この世界には、数多の人工生命体が存在している
その役目はさまざまで、亡くなってしまったペットの代わりとなる存在を担う個体や、とある人間の分身体として仕事を行う個体など…
テレビやネットなどの公の場では、成功体ばかり紹介されている
だが、裏には成功体以上の数の 失敗作がいることを考えたことがあるだろうか
これは、とある失敗体の ちょっとしたお話
『これより失敗体の解体処分を行います、危険が伴いますので、研究員の方は離れてー………』
ボク『達』の目の前にあるのは、どんな金属でもスクラップにできるプレス機
今からボク達は、この機械で処分される
ボクの名前は
あ、名前は無いんだ じゃあ番号だけ…
ボクは『1018』って言います
ボクが育った工場では、人工人間が複数存在していて、沢山の優秀な個体が世に出されている
だけど、どんな研究や技術にも、役目を果たすことができない失敗作というのは一定数存在していて
それらは仕事ができないと判断されると途端に粗末な扱いになり、終いには廃棄される
ボクもそのうちの1人で、これから廃棄される
機械だし、悲しいとか辛いとかはまったくない
機械にはあるはずのない死の淵で、ボクは過去の記憶を思い返していた
ボクは10月18日に製作された
人工人間は生まれた日にちなんで番号がつけられるから、当然ボクも『1018』という番号が与えられた
でも、ボクは生まれた瞬間に失敗だと 悟っていた
ボクのいる工場は『リアリティ』を求めていて、つくられる個体は共通して黒色の髪と瞳だった
でもボクは、それとは正反対の白髪に 赤色の瞳で製作されてしまった
研究員が言うには、ボクが製作された機械がバグを起こしていて、そのせいで色合いが他のものと違ったのだとか
しかも、ボクはさらに違う点がいくつかあった
人工人間の主な使い道は、普通以上の知力を持つ『頭脳型』と、卓越した身体能力をもつ『体育型』の2つ
だからボク達は、製作された瞬間に どちらに適性があるかを診断する
けどボクは、人並みの知力を持つだけでそんなに頭がいいわけじゃないし
運動なんてめっぽう無理で、少し走るだけで息があがってしまう
唯一まわりより優れていたのは、歌唱力と、並外れた音域だった
でもこんなの使えないし、何よりボク達はこれを目的に生まれたわけじゃない
そんなボクを見て、研究員の人は みんなこう言った
『1018番、君はもう用済みだ』
ボクの脳の中に残ってる一番古い記憶は これだった
研究員の男に連れられて、プレス機の真下へ案内される
ボクの視線の先には、成功体がいた
そしてボクの頭上にプレス機が落ちて、ボクはそのまま………
なぜかボクの頭上スレスレで、プレス機は動きを止めた
すると、途端に辺りが暗くなる
すると、暗闇から誰かがボクの手を引いた
体力をコントロールする機関が無いボクは、少しの距離でも走れば息が上がってしまう
そんなボクを見てか、手を引いて前を走る人物は、足を止めてくれた
ボクみたいな失敗作は番号しか与えられないが、成功体は番号の他に名前を与えられる
ボクはどうやら、少し前の夢を見ていたようだ
あのあと無事に逃げ出したボクは、あの施設の人たちが追ってこない場所までひたすら逃げた
そして何とか家や身分証を持つことに成功して、『歌い手』という仕事にもつくことになった
唯一の長所だった歌声を有利にできる、ボクにとっては神とも言えるものだ
今は、歌い手仲間のみんなと幸せに過ごすことができている
ボクは自室の棚を漁った
すると奥の方から、かなり昔のメモ帳が出てきた
パラパラとめくってみると、そこには自分で昔書いたらしい歌の歌詞や、動画のアイデアが書いてあった
ボクが昔使っていたメモ帳の端に、文章ととある数字が書かれていた
『助けてくれた人、黒色の髪の毛の男の人』
番号は『1103』
『とある個体の回顧録』 fin
コメント
4件
最後の最後で「!?!?」ってなって一瞬思考止まりましたw 処分されそうなところをギリギリで助けてくれたのは、1103…つまりあの人だったのか…!! 逃げ出してから歌い手を始めて、知らぬ間に再会してたんだ…運命ってすごい……! 上手く言えないけど、こういう話すごい好きです…!! めちゃくちゃ面白かったです!!最高でした!!!
わぁあああ……!こうゆう話 めっちゃくちゃすき……!! 処分されるはずだったけどその直前で そらるさんが助けてくれて2人で歌い手を やり始めて…いやぁ……AtR末永くお幸せに! そらるさん、まふくんを助けてくれて ありがとう😭 めっちゃくちゃ最高でした!