望月璃夢
学校帰り、下校してる最中、璃夢は鼻歌を歌いながら歩いていた.
すると目の前に璃夢と同じ制服を着た女の子が目の前にたっていた
彼女は背中を丸め、ただしょんぼりと歩いていた.
それは同じクラスの女の子で、いつも虐められている女の子だった.
璃夢のクラスは、全員で彼女を虐めていたのだ.
教師でさえもそのいじめを知りながら見て見ぬふりをしていた.
教科書をさいたり、机の中に虫を入れたりと散々だった.
璃夢は特別彼女に何かされた訳ではなく、でも全員がいじめに参加しているので自分だけいじめに参加しないわけにはいかなかった。
最近は言葉にできないような酷いいじめにも加わっていた。
…ドンッドンッドンッドンッドンッドンッ
璃夢が近づいていくと、彼女は丁度縄跳びをするようにマンホールの上をぴょんぴょんとはね始めた。
璃夢はその姿に違和感を覚えた。不思議に思いながら、彼女に近づいていく。
更に彼女は何が嬉しいのか、とっても幸せそうな顔をして
黒崎瑠音
と呟いている。璃夢は無視して通り過ぎようとしたが彼女がとっていた異様な行動を不審に思い
望月璃夢
と尋ねてみた.しかし彼女は返事をしない.相変わらず
黒崎瑠音
と言いながら飛び跳ねている.
望月璃夢
今度は少し強めに言った。
それでも瑠音は返事をしなかった.無視されるとさすがに腹が立つ. しかも、何故か嬉しそうな顔が余計に璃夢の怒りを煽った.
望月璃夢
そんな事して、何になるって言うのよ!!!
声を荒らげるのは璃夢ばかりで、いじめられっこの彼女は、ただ嬉しそうに飛び跳ねるだけだった。
この時、璃夢の頭の中で過ぎった。
望月璃夢
自分でも馬鹿な考えだと思いつつもそう思ってしまったのだ。 いずれにしても、いじめられっこだったはずの彼女が、楽しそうな顔ではしゃいでいるのがどうにも納得できない。
…ドスッ
望月璃夢
璃夢はそういうと強引に瑠音を押し退けた。
カツッ…マンホールの上にたつ 璃夢。転んだ瑠音が膝を擦りむいてようがどうでもよかった。
最初は小学生のイタズラのようなほんの好奇心でしかなかったが、不思議とその気持ちは膨れ上がっていき、やらずにはいられなかった。
望月璃夢
段々と跳ねる速度が上がっていく。息切れもしないし、汗もかかないなんだか、楽しい.
その時だった。隣にいた瑠音がマンホールの蓋に手をかけた。そして
渾身の力でマンホールの蓋をこじ開けた。璃夢の体は着地する行き場を失い、真っ逆さまにマンホールの中へ落ちていく。
望月璃夢
ドボーンッ
その後、瑠音はマンホールの蓋を閉めると何事も無かったかのように、また嬉しそうにジャンプを始めた。
黒崎瑠音
解説ゥッ⤴︎︎⤴︎︎ 瑠音が数えていた数は自分を虐めてきた人を落とした数だった. おしまい!