サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
イタ王
日帝
イタ王は至って真剣だ
そんなことわかっている
わかっているが、質問の意味がわからない
日帝
日帝
イタ王
日帝
イタ王
僕とナチは、死んだじゃないか
ナチス・ドイツ
彼は聡明で強欲、誰よりも強い国だった
そんな彼の人生は、自らの手で終わらせた
ナチ
ナチ
ナチ
彼は自身のこめかみにお気に入りであった銃を向け…
バンッ‼︎ グシャッ…
既に崩壊していたナチス政権に重ねるようにして、彼はこの世を去った
イタリア王国
彼は自身の価値を理解し、諦めの早い男だった
彼は複数の脅威に晒され、哀れな最期を遂げた
イタ王
パルチザン
パルチザン
パルチザン
イタ王
彼は心臓を数発撃たれ、死んだ…
…はずであった
イタ王
パルチザン
パルチザン
パルチザン
イタ王
彼は食肉用のフックで、逆さ吊りにされた
べニート・ムッソリーニたちの遺体は遺体を守るためという理由があったが、彼に関しては全くの別
また、吊るされる前にはパルチザンたちから散々な暴力を受け、彼は原型をとどめていなかった
王政が完全に消え失せるまで、彼は確実な死と大きな恐怖を感じながらこの世を去った
思い出した
そうじゃないか
こいつらは、既に死人
私だって、遺体をこの目で見た
私もこうなるのかと頭のどこかで悟りながら、それでも戦ったんじゃないか
日帝
ない
米帝の攻撃によって、一時は生死の境を彷徨ったことはある
しかし、私は生きていた
日帝
日帝
イタ王
心なしか悲しげな笑みを浮かべるイタ王は、私の手を握っていた
その手には、温度を感じられない
イタ王
イタ王
イタ王
亡国の世界と、現国の世界
この二つで、私たちの世界は構成されている
それを知る者は、少なくとも人間にはいない
ナチ
表情や態度には出ていない
しかし、静かに怒る彼の矛先は、間違いなくイタ王だ
日帝
イタ王
イタ王
日帝
イタ王
イタ王
イタ王は私の手を掴み直し、そのまま歩いてきた線路を逆走し出した
日帝
日帝
ナチ
凄まじい怒りを滲ませた声が、背後から聞こえた
イタ王
日帝
イタ王
イタ王
日帝
掴んでいた腕をいきなり引っ張られ、そのまま持ち上げられた
イタ王
イタ王
軽口を言いながらも、全力疾走でトンネルを駆け抜ける
日帝
イタ王
ナチ
後ろを見てみると、明らかにブチ切れているナチスがナイフを持ちながら追いかけてきていた
日帝
イタ王
日帝
今更だと思うかもしれないが、私にとっては結構重要なことだ
イタ王
襲ってこないではなく、襲えないか…
イタ王
走りながら、イタ王は帰り方を教えてくれた
イタ王
イタ王
イタ王
訳が分からないが、とにかく言うことを信じてみることにする
こうして口調の崩れている時のイタ王は、本気だからだ
イタ王
日帝
イタ王は放り投げるような形で私を離し、追いかけてきていたナチスに向き直る
ナチ
ブンブン振り回されるナイフを適切に避けつつ、イタ王は時間を稼ぐ
日帝
ドンドン…シャン…
シャン…シャン…
ドン…シャン…
日帝
日帝
ナチ
イタ王
両横から怒鳴り声と太鼓、鈴の音が聞こえる混沌の中だった
日帝
ナチ
イタ王
イタ王
ドン…シャン…
ドン…シャン
もう何も分からないまま、私は電車に飛び乗った
日帝
ガタン…ガタン…
日帝
イタ王は電車内から窓を見るな、携帯を使うなと言っていた
床を見つめながら席まで歩き、目を瞑りながら座った
日帝
聞いたことのない駅、死んだ友人たち、謎の音
考えてもわからないが、生きて帰れそうで安心した
日帝
日帝
私は疲れていたこともあり、強い眠気に抗うこともなく、そのまま眠った
日帝
次は〜××駅
××駅〜
お降りの際は〜、足元にご注意くださ〜い
日帝
あれは夢だったのだろうか
ゆっくりと速度が落ちていく
日帝
電車はやがて止まり、扉が開く
日帝
もうあの駅には行きませんように
そう思いながら、私は見慣れた駅に足を運んだ
日帝
日本
にゃぽん
日帝
日本
日帝
帰ってくると、息子に不思議なことを言われた
にゃぽん
にゃぽん
にゃぽん
日本
日本
日帝
日帝
にゃぽん
にゃぽん
そう言ってにゃぽんが見せてきた携帯には、確かに私が電車に乗った2日後の日付けが映っていた
日帝
日帝
なんなら、その1時間は電車に乗っていた
1日程度ならまだわかる
だが、息子たちは2日と言う
日帝
日本
にゃぽん
日帝
日帝
喜ぶ息子たちを抱きしめ、私は無事に帰って来れたことを嬉しく思った
日帝
あの場所があの世だとするならば、向こうで食べてはいけないと言うことにも心当たりがある
黄泉竈食ひ
向こうのものを飲食すると、向こうの住民…
つまりは亡者に、死んでしまうということ
日帝
あそこでイタ王が来ていなければ
私がイタ王を信じなければ
ナチスに追いつかれていたら
日帝
しかしここからが始まりだということに、日帝も、日本も、にゃぽんも、気が付いてはいなかった
コメント
1件
面白い作品をありがとうございます!