架恋
放課後の教室で、 私はそわそわと 何度もスマホを確認する。
先生は、あと一時間は かかると言っていた。
まだ、待ち合わせ場所の 裏門へ行くには早い――
その時。
架恋
架恋
架恋
架恋
苑原
架恋
私のクラスの前で 足を止め、ドアを開けて 入ってきたのは……
苑原先輩だった。
苑原
架恋
苑原
苑原
苑原
架恋
架恋
苑原
苑原
架恋
苑原
苑原
架恋
架恋
架恋
苑原
苑原
架恋
苑原
苑原
架恋
私は即答した。
何せ今から、山名先生と 待ち合わせているの だから……。
苑原
架恋
苑原
苑原
架恋
架恋
苑原
苑原先輩は眉根を寄せて、 少し傷ついたような 表情を見せる。
架恋
架恋
まだ時間まではあるけれど、 裏門へ向かってしまおう。
苑原先輩がついてくる ようなら、
一度学校の外へ出てから 戻ってきてもいい……。
私は立ち上がり、 通学リュックを背負った。
そして、教室から出ようと 歩き出す。
苑原
架恋
苑原先輩が腕を伸ばし、 私は手首を掴まれて しまった。
苑原
先輩は、左腕で私の手首を 掴んだまま、右腕で ポケットから何かを取り出す。
そして、私の手のひらに 押し付けた。
架恋
苑原
架恋
思わず、私は声を荒げる。
苑原
架恋
架恋
苑原
苑原
そう言うと苑原先輩は、 今度は胸ポケットから スマホを取り出した。
片手で操作し、それから 私のほうへディスプレイを 向ける。
架恋
苑原
架恋
先輩の示すスマホの 写真には、
先生と、私と同じくらいの 年齢らしき、他校の 女子生徒が写っている。
背景はぼやけているけど、 繁華街のように見て取れた。
架恋
苑原
架恋
私は心がざわざわするのを 必死に抑えつけながら、
苑原先輩の瞳を 真っ向から見返した。
先生のことを、信じたい。
――ううん、信じなきゃ……
架恋
架恋
苑原
先輩は大きく ため息をついて、
それからようやく、掴んだ 私の手首を離してくれた。
苑原
苑原
苑原先輩の、その表情は。
本当に、心から私を 心配しているように しか見えなくて――
架恋
それでも私は、先輩に 何も言葉を返すことなく、 教室を後にした。
――先輩は、追いかけて こなかった。
だけど。
架恋
私は――……、
細い針で、幾度も 刺されるように、
胸にチクチクとした 痛みを覚えた……。
コメント
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続きホント気になる…
続きが気になります!!!