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架恋

あの、先生……
どこへ行くんですか?

私は今、山名先生の車の 助手席に同乗している。

密室で、先生と二人きり。

それだけで心臓が、 どきどきと脈打ってしまう。

山名

安心していいぞ

山名

高校生のお前を、そうめったなところへ

山名

連れていくわけにもいかないからな

山名先生は苦笑して答える。

果たして、辿り 着いたのは――

隣の市の、少し高級な レストラン。

架恋

あの、私、こんな格好で……

山名

制服なら正装だから大丈夫だ

山名

佐々は着崩してもいないしな

私はどきどきしながら レストランへ足を 踏み入れ……

やっぱりどきどき しながら、先生にサポート されて料理を注文し……

そして。

架恋

先生……あの

まず届けられたスープを 飲み終えた私は、 先生に話しかけた。

架恋

お誕生日おめでとうございます……!

山名

ああ、ありがとう

先生は、目を細めて微笑む。

架恋

(先生、学校よりずっと、表情が柔らかい……)

架恋

(それは、私のことを好き――だから?)

架恋

(それとも……)

架恋

あの、先生?

山名

どうした?

架恋

どうして……私を誘ってくれたんですか?

山名

言っただろう?

山名

誕生日をお前と過ごしたいって……

架恋

それは――どういう……

心臓が、喉から出て しまいそうなほど、 早鐘を打っている。

先生の答えを 早く聞きたいような、

聞きたくないような――

山名

全部言わなきゃ、わからないのか?

山名先生が、 切なげに微笑む。

山名

佐々……、
ずっとお前のことが気になっていた

山名

教師と生徒という関係を超えて……

架恋

……!

架恋

先……生……っ

架恋

(!)

架恋

(先生の手が)

テーブルの上に置かれた 私の手に、

先生が手のひらを 重ねてきた……。

山名

もちろん私は教師だから、ずっとその気持ちを抑えてきた

山名

……だが……

山名

誕生日くらいはお前と、愛しい人と過ごしたい――

山名

そんな我が儘を、叶えてみたくなったんだ

架恋

……っ!!

私は息を呑んだ。

先生は……

先生が……、 私のことを好きだったって……

そんな、幸せなことって あるの……?

架恋

せ、先生、わ……私……

架恋

私も、ずっと先生が……先生が大好きでした!

山名

佐々……!

山名

……ありがとう……、
佐々……

先生が、私の手を 少し持ち上げて、

両手で、慈しむように 包んでくれる……。

架恋

私こそ、先生……

架恋

(どうしよう、泣いちゃいそう)

架恋

(こんなに嬉しくて、こんなに幸せで……)

架恋

(……いいの?)

私は瞳を潤ませ、 先生を見つめる。

架恋

(――先生はやっぱり、悪い人なんじゃない)

架恋

(お兄ちゃんや、
苑原先輩にも、いつか
わかってもらえるよう)

架恋

(きちんと説明しよう)

架恋

(……私の大好きな、先生のことを……)

レストランで 食事を終えたのち、

先生は私の自宅近くまで 車で送ってくれた。

架恋

(……ほらね)

架恋

(心配することなんて、何もなかった)

架恋

先生、送っていただいてありがとうございます

山名

私がお前を誘ったんだ、当然のことをしたまでさ

山名

……そうだ、佐々

山名

連絡先を交換しないか?

架恋

……!

先生はスマホを操作し、 SNSアプリのQRコード を表示させる。

私はそれを読み取るため、 リュックからスマホを 取り出そうとして……

一都

架恋!

架恋

えっ……

背後から聞き覚えの ある声がかかって、 振り返ると。

架恋

お兄ちゃん……

そこに立っていたのは――、

怖い顔をした お兄ちゃんだった。

サキュバスJKは清く正しく恋したい❣️

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