サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
サカナ
日帝
夢に出て来たナチスや父上にソ連のこと
何度も訪れる死の間際
巻き込まれてしまった子供たち
私にはどうすればいいのかわからなくて、ただ平凡に毎日を送る
日帝
日帝
呪いの人形であったり、病院の怪であったり、おかしな夢であったり
知らずのうちに、彼の恨みを買っていただろうか
日帝
枢軸の皆で、厳しい戦を生き抜いて来た
時に支配し、時に支配され、やがて終わっていった
彼岸と此岸にいるうち、何かが狂ってしまったとでも言うのか
あの子たちはそれぞれ外に出ている
今日は家事を簡単に終わらせて、考え事にでも費やすか…
日帝
日帝
開けてくれ
日帝
早く
開けてくれ
家事を終わらせ、軽食を取っていた時のこと
突然、玄関の方向から私を呼ぶ声がした
日帝
日帝
日帝
なあ、開けてくれ
無機質だが切羽詰まったような声だった
開けて開けてと言っているのは、おそらく玄関の扉だろう
何か嫌な予感がして、私は空いていた窓や縁側に繋がっていた扉を閉めた
玄関からは、今だに声が聞こえている
日帝、開けてくれ
早く
頼むから
玄関に近寄ると、何か人影が見えた
鍵はかけていないので簡単に入れるはずだが、扉の前の人影はそんな気配を見せない
ナチ
ナチ
日帝
もし鍵がかかっていても無理矢理入りかねないこの男だが、ただ扉をガシャガシャと揺するだけ
明らかにおかしい
ナチ
ナチ
日帝
日帝
ナチ
ナチ
ナチ
やけに落ち着き払った声
ナチスの低い声が響く
ナチ
ナチ
ナチ
段々と怒りが籠っていくように、圧が増していく
日帝
ふと、扉の向こうが静かになった
ナチ
ナチ
ナチ
日帝
日帝
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
死者というものは、どうしてか生者の家に入れない
それが掟であり、私でさえ破れぬ常識のようなものだ
ならばどうすれば入れるか
生きているものなら何でもいい、正面の扉を開けてもらうだけ
ナチ
ナチ
ナチ
日帝は静かに話を聞いている
ナチ
日帝
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
唯一、私に優しくしてくれた日帝
誰もいなかった私の周りで、ただ1人近づいて来た
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
寂しかった
子供の時からずっと
私が私であれたのは、心を満たしてくれたお前のお陰なんだ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
ナチ
扉の向こうで、息を呑む音が聞こえた
ナチ
ナチ
ナチ
ここを開けて、助けてくれ
頭に響いた
小さな声だった
日帝
生者の私には、死ぬ感覚などわからない
痛かっただろう、苦しかっただろう
ただそれで終わりなのだ
ナチ
ナチ
ナチ
生きている時には決して聞けなかった、聞かせなかったナチスの弱音
ナチ
ナチ
ナチ
扉一枚を隔て、ナチスは私に助けを求めている
あぁ、戻れないだろう
お前は多くの罪を犯したのだろう
日帝
ナチ
最初の勢いはすっかり消え去り、ナチスは大人しくなっている
私は、戸を開けた
ナチ
ナチ
ナチ
日帝
夢とはいえ、先日会ったばかりだというのに、ナチスは随分とやつれているようだった
ナチ
ナチ
ナチ
ナチスの目からは雫が流れている
止めどなく、泣き叫ぶわけではないが、ダムが決壊したように
日帝
日帝
日帝
ナチ
ナチ
日帝
日帝
我ながら甘い判断だとは思う
しかし子のいる身としては、あのような状態のナチスを放って置けるはずもない
自分を押さえつけるような泣き方は、ひどく心を抉るものなのだ
ナチ
ナチ
ナチ
ソ連
日帝
ナチ
背後からソ連が出現した…?
ソ連
ナチ
ナチ
ナチ
ソ連
日帝
日帝
ソ連
ソ連
日帝
ソ連
ソ連
ナチ
ナチ
なるほど、陰で支えてくれていたというわけか
日帝
日帝
ソ連
ソ連
日帝
ナチ
日帝
ソ連
ソ連
ナチ
穏やかに時間が過ぎているが、一言で言うなれば混沌である
まさか、我が家に死者が集まって茶を飲んでいる光景を見るとは思いもよらなんだ
まさかソ連まで出てくるとは思っていなかった
日帝
ナチ
ナチ
ソ連
ソ連
ナチ
ナチ
ソ連
日帝
まあ…平和か
その後の話
数日前、ナチが謝罪と言ってお菓子を持って来た
僕としては日帝が生き延びられて嬉しいし、ナチが正気に戻ってくれたから怒ってはいない
でも、あれから少しだけ、ナチとの距離が開いてしまった気がする
イタ王
イタ王
イタ王
日帝も、僕も、ドイツ帝国も、ソ連も、江戸さんも、国際連盟も、管理人さんも、みんなもう怒ってないと思う
だけどナチは、また1人になろうとしてる
一連の事件はナチの抱えていた寂しさが、精神不安と重なって暴走した末だとわかった
力が異様に強かったのは、何度も現世や他の化け物どもに干渉しまくったかららしい
そのせいで肉体の損壊がひどく、今は安静にしていると聞いた
やることはないのに親であるドイツ帝国や友人の僕らとも気まずくて、あの子ってばまた不安を積もらせたりしていないかな
イタ王
イタ王
イタ王
そういえば、ソ連は元々日帝のボディガード的なことをしていたらしい
あまりにも色々惹きつけるから、目が離せなくて大変だって言ってたな
ナチの事件の時は、ナチを憎んでいたユダヤ人の亡霊たちも協力してガードしていたようだが、今となってはそれも離れてしまった
イタ王
イタ王
イタ王
ワイン瓶片手に、僕は曇り空の下へと駆けた
きっと今日も、誰かがあのような恐ろしい目に遭っている
私は乗り越えられたが、それは過去の友人たちが協力してくれたからだ
日本とにゃぽんを守る為には、私自身が強くあらねばならん
本当に最後の邂逅であってほしいが、私は彼らとの思い出を無くしたわけではない
きっと彼岸のどこかで騒いでいると信じて、私は墓参りに向かうのだった
コメント
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やべぇ、私が今まで読んできたどの小説より作品よりおもろい、こういうお話増えて欲しいわ...みんなの口調とか最高絶好調なんですけどバッドエンド見てきます最高かよ
欲張ってもいいですか?できれば両エンドのその後が見たい!!!
完結お疲れ様!!!最後まで最高でした✨!!