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数日後……

アソビ

暗い曲が多すぎるな……

アソビ

たまには、合唱曲の伴奏でも弾いてみるか……

♫+:;;:+♡+:;;:+♫+:;;:+♡+:;;:+♫+:;;:+

アソビ

こういう曲も……たまにはいいかも……

。:.゚ஐ⋆*♡・:*ೄ‧͙·*♪ஐ⋆*♡・:*ೄ‧͙·*♪ 不可能だと言われたとしても 諦めなければ必ず乗り越えられる。 過去の過ちを悔やむこともあるけれど 未来には希望がある。 奇跡を信じ、自分の力で運命を 切り開いていこう 。:.゚ஐ⋆*♡・:*ೄ‧͙·*♪ஐ⋆*♡・:*ೄ‧͙·*♪

アソビ

(伴奏系は得意じゃないけど……)

アソビ

この曲はいい曲なんだよなぁ……

突然、背後から気配と鋭い視線を感じる。

アソビ

……っ!?

バス

動くんじゃねぇ。

アソビ

(……へ?)

バス

お前……何者だ?

バス

ここで何をしている。

アソビ

(待って?俺なんか警戒されてね?)

アソビ

(しかも銃口突き付けられて……)

バス

ここで何をしているのかって聞いてるだろっ!

バス

答えろ!

アソビ

ひっ……(小声)

アソビ

(どうしよう!俺喋れない設定で貫いているのに……)

アソビ

(あ……)

俺はピアノに手を伸ばそうとした……そしたら……

カチャ……(銃を握り直して突きつける音)

バス

触んじゃねぇ!!!

アソビ

ひぃぃ!?

バス

……え?

アソビ

……あ。

アソビ

(やらかしちゃった……)

バス

なっ……

バス

お、お前……

アソビ

ごっ、ごめんなさい……
(小声)

バス

声出せて、ピアノで魔法出せるとか、お前何者……?

アソビ

(ただの音大生ですぅぅ)

アソビ

えっ……えっと……

バス

(やっべ今のでタバコ落とした……)

アソビ

あ、あの……煙草……

バス

黙れ!落ち着け、俺がタバコ落としたくらいで……!

数分後……

バス

まぁいいや……
お前、今何していた?

アソビ

ピ……ピアノの練習……

バス

それはわかった

バス

何で声出せるのに隠してたんだよ

アソビ

だって……目立ちたくないし……

バス

何だよ……それ。

しばらくお互い黙っていると……

テナー

バス、どうしたの?

アソビ

ふぁ!?

アソビ

(俺にそっくりな……ロリータ服の俺!?)

バス

おい!取り込み中だ!

バス

テナー、近づくんじゃねぇ!

テナー

だって!バズが声荒げてるから、彼が怖がってるじゃん!

テナー

もうちょっと優しく接しなよ!!!

バス

うぐっ……

バリトン

何事かと思ったら……、って……俺?

バス

クソメガネ……!お前か……!

バリトン

君が怒ったら直ぐに発砲するクセあるから出てきただけだよ。

アソビ

(なにこれ!?俺が3人も……???)

アソビ

あ、あの……

アソビ

これは一体……

 状況が情報過多すぎる。  和装の俺が銃を構え、ロリータの俺がニコニコして近寄り、眼鏡の俺が俺を観察してる。この光景が脳に入ってくるたび、処理能力がどんどん削られていく。

バリトン

それに君……
(アソビを見つめて)

バリトン

……僕達にそっくりだ

バリトン

もしかして別の世界から来たのかい?

テナー

バリトン、それって?

バリトン

たまーに別の世界からこうして人が来るんだって

バリトン

原理はどうなっているのか……わかんないらしいけど。

アソビ

………

 視界がぐるぐる回る。体がガクッと崩れ落ちていく感覚がして、俺はその場に崩れ落ちた。

テナー

あーあ

バリトン

バス……お前……

バス

え?何……お前ら……

バス

俺のせいって言いたいのかよ……

テナー

うん

バリトン

当たり前だ。

カンターヴィレの客用寝室

 見知らぬ男……いや、俺たちにそっくりなその人物は、気絶してしまい……こうして保護?された。

テナー

まだ起きないな……

バス

………

バリトン

バス。どうかしたのか?

バス

いや、少し引っかかるところがあってな。

バリトン

引っかかること?

バス

「どうして、俺たちの館に主人格がいないのか」

バリトン

……そうだね。

バス

つまり、テノール、バリトン、バス、そしてカウンターテナー。この四種類のうち……

バリトン

主人格(テノール)が
欠けていると……

バス

そうだ。

バス

それ以外は女声種だし、僕らが特別珍しいってわけじゃないけど、割合としては少ない方だな

テナー

そうだね。僕ら世代は主人格不在だもんね

バリトン

そうだな。本来、アルカノーレは主人格を中心に存在するはずなんだよ。

バス

まぁ……その中でも俺たちは、その補助役として育つべきだった。

バス

それが、主人格が不在のまま、俺たちだけでこの館に置き去りにされた……

バス

そう思われても仕方ねぇ。

テナー

バス……

テナー

主人格の存在そのものが、最初からいなかったんじゃないか……って一時期言われてたよね?

バス

嘘じゃねぇ。本当のことだろ。

バス

俺たちの館は、いわば音楽の孤島だ。他の街とは違って、俺たちはここの街やその近くで生まれて、ここで育った。

バス

それも全部、テノールが来るまで向かい入れないと行けねぇのに成人しても全然来ねーんだから……

バリトン

それって……不自然だよね。主人格が存在しないアルカノーレなんて

バス

……だから、これが普通だと思ってた俺たちも、そろそろ現実を見なきゃいけないんだよ

バス

主人格がいないままでも、どうにかして自分たちの役割を果たさなきゃいけないってな

 それが何なのか……この青年を見てると、少しだけ答えが見えてきそうだが。

 バス達は王宮で今までのことを報告しに行っている。彼は未だ、目を閉じて眠っているようだった。

アソビ

すぅ……すぅ……

ガチャッ……

バス

おう、帰ってきたぞ

テナー

おかえりなさい。バス。どうだった?

バス

彼は?

テナー

うん、まぁ、特に問題はなかったけど……彼はまだ目を覚ましていない。

バス

アイツが目を覚ましたら、すぐにでも王室に連れて行く。アルカノーレの可能性はあるか、ピアノの特殊奏法について話を王様に伝えなきゃならん。

テナー

……わかった。

バス

あとだな……

数分間、バスと会話していると……

アソビ

王宮……?

テナー

え?

アソビ

王室って…何だかヤバそうなところじゃねぇか…?

バス

おい、アンタ、起きてるのか?

テナー

いや、寝言……覚醒しているようにも見えるけど、頭は寝ている……

アソビ

王室か…それってすごく大事なところだろ?

バス

なんだって?お前、まだ眠ってんだろ?

アソビ

俺、なんか、すごく嫌な感じがするんだ

アソビ

王室って…俺みたいなのが行ったら、絶対なんかまずいことになるだろ

テナー

そんなことないよ。王室に行って君の口から説明すれば、何も問題はない。

アソビ

だって、お前ら、俺と同じ顔してるんだろ?それがまず怖いじゃねぇか。

バス

……今はそれを考えている時じゃない。とりあえず、お前は休んでろ。

アソビ

……………

テナー

今の声……バリトンに近しい様で、声が少し高いような……

バス

……あぁ。
テノールの音域……

バス

彼は、一体、何者なんだ……?

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