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告白しても、いいですか？

第4話 - 告白しても、いいですか？

15,203

2019年10月03日

#恋愛

#学園

#青春

ましゅ

つーくんが私のことが好き？

一体どういうことなのー…？

高瀬桐生

どーゆうことだよ…司。

福音司

言葉まんまの意味だよ…。

福音司

俺は風香が好きだ。

福音司

ずっとずっと、昔から。

福音司

幼稚園の頃から、風香は俺に親切にして話しかけてくれた。

福音司

蕾が咲いたかのような笑顔に俺は惹かれたんだ。

高瀬桐生

……。

福音司

お前だって、わかってるだろ？俺の気持ち。

高瀬桐生

……知らない。

福音司

さっき伝えた通りだからな。

福音司

だからもう、風香の前に姿を出さないでくれ。

福音司

……頼むから……。

高瀬桐生

………。

福音司

自分勝手で、最低だって、自分でもわかってる。

福音司

でもこの恋だけは、絶対に譲れないし、叶えたい。

高瀬桐生

……。

桐生さん、黙々と聞いてるだけだ…。

それより、つーくんがずっと昔から私を好きでいたなんてー…。

…私は、桐生さんが好きなのに

揺れる。

福音司

…もうこれ以上、話はないから。

高瀬桐生

………ん。

福音司

じゃあな、俺先帰る。

高瀬桐生

おい、司っ…。

高瀬桐生

……。

宮島風香

(……あっ！こっちきちゃう。)

高瀬桐生

……風香？

宮島風香

あ…。

最悪。

盗み聞きしてるのバレてしまった。

高瀬桐生

…もしかして、話聞いた？

宮島風香

べ！？

宮島風香

べべべべ、別に！は、話なんか…き、聞いてません！

高瀬桐生

……ふ〜ん。

ﾍﾟｼ

宮島風香

あいたっ。

高瀬桐生

バレバレすぎ。

ﾄﾞｷﾝ

桐生さんの透き通った低音…

いつ聞いても、ホッとしてしまう…。

そして私たちは、ベンチに座った。

ガタン

高瀬桐生

……ん。これ。

宮島風香

え…。

宮島風香

これ、前もらったホットココア…。

宮島風香

………んっ！？

ふわっと首に感触が全身に伝わった。

高瀬桐生

寒いからこれ巻いて飲んでろ。

これ、桐生さんのマフラーだ。

宮島風香

い、いいんですか？

高瀬桐生

…別に。

もう。

桐生さんは言葉が時々荒くて

ぶっきらぼうだけど

本当は優しいこと、私、知ってますよ。

高瀬桐生

……今まで教えなくてごめん。

高瀬桐生

俺と司は…幼馴染の関係だ。

宮島風香

つーくんと、桐生さんが…？

高瀬桐生

ああ。

高瀬桐生

司は俺より一個下だったし

高瀬桐生

昔からそんなに仲が深いわけでもなかったが、よく遊んでいたし、家にも遊びに行ったりしてた。

高瀬桐生

でも小学生の時からは、なかなか遊べなくなった。

高瀬桐生

会っても挨拶さえしてくれねぇし、口さえ聞かせてくれない。

高瀬桐生

俺らの関係は、徐々に崩れていったんだ。

高瀬桐生

で、司が東京に行くことになったんだが

高瀬桐生

俺に一つも事情をくれなくてな…。

宮島風香

つーくん、引越しすること桐生さんに教えてくれなかったんですか？

高瀬桐生

ああ。

高瀬桐生

俺は司が急にいなくなったかと思って心配した。

高瀬桐生

でもいきなり帰ってきた。

高瀬桐生

その時に俺らはばったり会って、司にこう言われたんだ。

高瀬桐生

「俺は風香が好きだ。桐生、お前風香のこと知ってるだろ？」

高瀬桐生

ってな…。

高瀬桐生

その時俺はめんどくさくてあまり聞いてなかったんだけどな。

高瀬桐生

そしたら最近こうやって絡まれるんだよ。

宮島風香

……そうだったんですか。

高瀬桐生

…風香お前、どうすんの？

宮島風香

え…？

高瀬桐生

司への返事。

宮島風香

っ…。

ﾄﾞｸﾝ

宮島風香

…私は確かに、つーくんのことが好きです。

宮島風香

でもそれは、恋愛関係の好きではなくて、友達としてなんです。

宮島風香

でもこのまま断ったら、私、つーくんとのキラキラな思い出を全て壊しちゃうかもしれない。

宮島風香

それに…。

高瀬桐生

それに？

「私は桐生さんのことが好きだから」

宮島風香

っ……。

宮島風香

いや、何でもないです。忘れてください。

私、今言いそうに…。

高瀬桐生

…ふぅん。

宮島風香

私、このまま断ってつーくんとの関係が壊れるのも嫌なんです。

宮島風香

ずっと、友達のままでいたい…。

宮島風香

……私、どうしたらいいんでしょう…このまま率直な気持ちを伝えるべきか、隠すべきか…。

高瀬桐生

…恋愛事情なんかよくわかんねーけど

高瀬桐生

風香が選んだ道と言葉をそのまま言えばいいんじゃないの？

宮島風香

…え。

高瀬桐生

隠すなんからしくねーぞ。

高瀬桐生

風香は素直なんだから、伝えるべきだよ。

宮島風香

…はい。

好き。

大好き。

桐生さんの…。

宮島風香

……っ。

伝えよう。

宮島風香

あの、桐生さん…。

このまま隠すなんてダメ。

宮島風香

私…。

桐生さんのことが…。

福音司

……風香？

宮島風香

っ！？

宮島風香

つーくん！？

高瀬桐生

司！？

高瀬桐生

お前、帰ったんじゃねーの？

福音司

……っ。

福音司

風香、こい！

宮島風香

っえ…！？わ！？

つーくん！？

高瀬桐生

おい！

つーくん、すごい力。

宮島風香

やめて、痛いよ…つーくん。

福音司

嫌だ。

福音司

絶対離さない。

ﾄﾞｸﾝ

こんなつーくん、見たことない。

真剣な眼差し。

だって、私と話すときは…。

ﾄﾞﾝ

宮島風香

わ！

福音司

…桐生と、何話してたの？

宮島風香

…え。

福音司

桐生に、なんて言おうとしてたの？

ﾄﾞｸﾝ

宮島風香

(もしかして…バレてた？)

宮島風香

な、何もいってないよ。何にも話してない。

嘘つき。

その言葉が、私体全体を駆け巡る。

福音司

……風香、もう俺、限界だよ。

宮島風香

……え

宮島風香

つーく………

宮島風香

福音司

宮島風香

ん！？

宮島風香

つ…つーくん……今何して……。

今。

唇に感触が…。

福音司

風香、俺もう、伝えるから。

福音司

俺は風香のことが好きだ！

福音司

…ずっと、昔から。

宮島風香

っ……！

強気なつーくん。

優しい桐生さん。

私は