帰り道 私は零と会った
零
優
優
あ…零
零
一緒に帰ろ
優
うん
零
優って…
零
小学校の時好きな人いたよね
優
…っ!?
零
それってさ
零
────だよね
優
え?…ごめん
優
聞こえなかった
零
ううん…なんでもないよ
優
…何それ
私が好きなのは
零 だよ
零は誰だと思ってるの?
零の好きな人は誰なの────
零
────!!
零
ゆ────
零
優っ!!
優
あ、ごめん
零
俺さ…
零
たとえ
零
優が好きな人と両思いでも
零
優のことを傷つけるんだったら
零
絶対に許さない
優
え…
零
昔から俺なりに守ってた
零
優はどう思ってるか分からないけど
零
優を傷つけるやつは許さないよ
なんで こんなに真剣に言ってくれるの
優
零…?
零
急にごめん
零
俺さ…
零は手を優しく握って言った
零
ずっと…
零
ずっと好きだったんだ
零
“優”のこと
優
え?
零
急にごめん
零
優を守りたい
零
隣にいても…いい?
零
こんな関係が嫌なら
零
俺の事放っておいたっていい
零
優…ダメですか
ダメに決まってる
そんな顔で言われたら
優
零…私は
優
ずっと前から
優
小学校の頃から
優
零が好きだったよ
優
でも…関係が壊れるのが嫌で
優
言い出せなかった
優
でもね
優
零が言ってくれたからよかった
優
私も大好きだよ
昨日の帰り道
新しいスタートが始まった気がした
優
おはよ
小花
おはよっ
小花
そういえば昨日零と帰ってたね
優
…あ、うん
小花
告った?
優
えっ?
小花
好きじゃないの?
優
…い…いやぁ?
小花
んー?
小花
怪しいな
優
やめてよ
零
優おはよ
優
…おはよ
小花
…ふふっ
零
どうした?小花
小花
なんでもないよ
零
そっか
零
小花、先生に呼ばれてたよ
小花
あ、そうだった!!
零
今日も帰れる?
優
うん
零
じゃあ…待っててね
私は屋上の網に寄りかかった
優
私にも
優
彼氏…できた
優
夢なのかな
優
イタッ
頬をつねっても
変わらない
優
私…このまま
優
変わらなきゃ…
ドンッ
大きな音が鳴る
零
優っ…!!
零
…いた
優
零…?
零
なんでここにいるんだよ
零
また飛び降りる気か?
優
そんな────
零
俺が嫌…か?
零
優…なんで
優
そんなことないよ
優
ただ私は
優
1人になりたくてきただけ
優
私にも
優
彼氏…できるんだなって
零
よかった…
零は呆れた顔をしてるけど
微笑んで
私を抱きしめた
零
心配させるなよ
優
ごめんなさい
零
でも…2人きりにやっとなれた
優
え?
零
優…離れないで
優
…っ!!
唇が重なった
ファーストキスだなんて
言えない
幸せで仕方ない