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そらるさんが“何でも屋”を 訪れてから、早一ヶ月

機材や楽器を揃えて、ユニット名も 決めて、準備は順調に進んでいた

真冬

♪〜

今はギターの練習中

昔やってたから、この一ヶ月間で ある程度感覚を取り戻せてきた

ニコ

まふがギターできるの意外だなぁ。昔やってたの?

真冬

……うん、まぁちょっと、習い事でね

子供の頃はピアノをやっていて、 そこで音楽に興味を持って、 ギターも触り始めた

だからこれからの活動は、 音楽関係ってこともあって…… ちょっと、楽しみでもあったんだ

真冬

ニコはなんか音楽やったりしてた?

ニコ

俺は……リコーダーとかカスタネットとかなら?

真冬

小学校の音楽でやるやつじゃん……なら歌は?

ニコ

う、たは……

真冬

(ん……?)

ニコ

……実は昔コピーバンドのボーカルやってたんだよね。結構人気だったよ

最初の微妙な反応、 ボクは見逃さなかったよ

真冬

歌苦手なの?

ニコ

ボーカル経験ありって言ってるじゃん

真冬

あ〜……うん、そういうことにしとく

ニコは自分の昔話なんか絶対にしない

真冬

(だからまぁ、バンドは嘘で歌も苦手なんだろうな……)

真冬

にしても珍しいね、人に自分の弱み握らせるなんて

ちょっと面白くなって、 ニコをからかってみる

ニコ

別に歌の上手い下手なんて、歌わなければ弱みにはならないし?

真冬

下手なのは認めるんだ

ニコ

ん??

カチャッ

真冬

え、ちょっ、洒落にならないから銃に手かけないで!

ニコがいつも着物の帯に 挟んでいる黒い拳銃

頑なに人に触らせようとしなくて、 本物か偽物かも分からないから、 それも相まって尚更怖い

持ち主曰く、銃の名前は “万引き銃メン”だそう

真冬

(店の名前にかかってるんだろうけど……もうちょっと何かなかったのかな)

ニコ

あはは、流石にしないよ。もしこれで撃ち殺しても、“そっち”に目付けられるだけだし

真冬

せめてちょっとくらい目元にも感情出してよ……

相変わらず、あの糸目は 全く笑っていない

真冬

……っていうか、前から思ってたんだけどさ。

真冬

“それ”、ボクへの当て付け?

ニコ

何が?

真冬

分かってるくせに……

やけに白々しく見えるあの笑顔

真冬

(こんなタイミングでそんなにっこり笑わないでよ……)

ピンポーン

場の空気を変えるように、 呑気なインターホンの音が鳴る

けど、いつも依頼者が来る時とは 違って、玄関の方からだ

真冬

ボク出てくるっ

ニコ

はーい

ギターをそっとソファに置いて、 タタタッと玄関へ向かう

それから、鍵を外してドアを開けた

彼方

よっ、まふまふ

真冬

そらるさんいらっしゃい!

実は少し前、そらるさんに ここの合鍵を渡したんだよね

ただ、開けていいのは 下のエントランスだけって約束で

こうして活動中にも依頼者は 来るから、その人達と区別する為に っていうニコの提案なんだ

彼方

どう? ギターの練習

真冬

順調ですよ。簡単な曲なら弾けるようになりました!

彼方

マジか、後で聞かせてよ

真冬

ふふっ、いいですよ

そらるさんを室内へ上げて、 リビングへの廊下を歩く

真冬

ボク、元々音楽は好きだったんですよね。

真冬

将来はこの道に進もうかなーとか、考えてたこともあるくらい

彼方

……へぇ、そうだったんだ

真冬

……?

そらるさんの反応が、 少しおかしいような

真冬

(別にボク、変なこと言ってないと思うけど……)

真冬

どうかしました?

彼方

いや、何でも……。

彼方

……あー……まふまふ

真冬

はい?

不意に、そらるさんが立ち止まった

彼方

……今、ここにいて幸せ?

今まで見たことがない、 真剣な眼差しを向けられる

ここにいて、幸せか……?

どうしてそんなことを聞くんだろう、 と思いつつ、少し考えてみる

真冬

ボクは……

彼方

っ、やっぱ答えなくていいや。変なこと聞いてごめんな

真冬

えっ?

彼方

俺ニコさんに挨拶してくる。先に機材部屋の方行ってて

それだけ伝えて、ボクの横を 通り抜けて、リビングの方へ 行ってしまったそらるさん

真冬

……幸せ……

その場に突っ立ったまま、 また少し考える

……多分僕は、 この一生をかけて幸せではない

こんな場所にいる時点で、普通の 人生を送れていないことは確かだし

“普通”以外は幸せになれないと 言うつもりはない

その普通じゃない道から幸せを 見出すことだって、やろうと思えば 十分できる

真冬

(……それでも、“普通”の軌道から一歩ズレれば、そう考えるのも無理はないと思う。)

真冬

(だけど……)

僕のこれまでの人生に比べたら…… 今が少し色づいて見えてしまうのは、 気のせいだろうか

真冬

……うん、気のせいだな

わざと声に出して呟いて、 機材を置いてある部屋へ向かう

僕は、幸せになっちゃいけない人間だ

この“路地裏”に入ったのは、 自分が原因なんだから

真冬

っ……行こ

Side Blue

答えを聞くのを恐れて、 まふまふを置いてリビングに来る

元より俺は、あいつにあんなことを 聞く資格なんてないんだ

彼方

(俺のせいで、あいつは……。)

彼方

(……いや、今は考えないようにしよう)

いつも通り、キッチンでコーヒーを 淹れているニコさんの方へ向かう

彼方

ニコさん、こんにちは

ニコ

こんにちは。……あれ、まふは?

彼方

先に部屋に行かせました。ここには挨拶だけ

ニコ

そうですか。

ニコ

……一ノ瀬さん、少しお時間いただいても?

僅かに、ニコさんの声色が 変わるのを感じた

彼方

いいですけど……何ですか?

身構えて、恐る恐る聞いてみる

ニコ

前に話した依頼料のことについてです。

ニコ

結論から言うと、依頼続行ですね。ちゃんとした対価がありました

作業の手は止めず、依頼料の内容を 淡々と告げられる

彼方

っ……

ニコ

……でも、まさかと思ってびっくりしましたよ。あんな情報が出るとはって

彼方

……まふまふには?

ニコ

話してませんよ。流石の俺も、そこは弁えてます

彼方

どこからその情報を?

ニコ

それは……企業秘密ですね。これ以上何か聞くようであれば、追加料をいただきたいところですが

彼方

……ならいいです。もうそんなもの残ってないと思うんで

ニコ

そうですか? 調べれば山ほど出て来そうですけど

彼方

……。

彼方

……このギター、まふまふのですか?

ニコ

あぁ、はい。忘れてるみたいなので、よければ持っていっていただけると

ソファに寝かされていた ギターを持って、リビングを出る

彼方

……

絶対に漏れない情報のはず

なのに、よりによって“あのこと”を 知られるなんて……

彼方

……?

……そう、部外者は知らない、 知れるはずがない

たとえどんな手を使っても、 ほぼ確実に入手できない情報なのに

彼方

何で知られたんだ……?

かえで

かえでです

かえで

な〜んか前回からちょっとニコさんが怪しいですね…←

かえで

何ならそらるさんも怪しいですよね…←

かえで

ちなみにタイトルの“fleeting time”は、束の間って意味です

かえで

あとせっかくなのでサムネ画像も作りましたw

かえで

さて、果たしてこれからどうなっていくのか…

かえで

この3人はそれぞれ何を背負っているのか…?

かえで

おつえで!

『何でも屋』〜貴方の願い、“何でも”叶えます〜

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コメント

7

ユーザー

うっわ、好きです(唐突な告白) そらまふ過去に何かあったでしょ…((( 本当にかえでさんのお話には、いつも考えさせられてばかりです…… それと、一番気になったのがまふくんとはなちゃんの関係そして、 そのはなちゃんの以来を頼んだ、天月くんも怪しい、そらるさんと天月くんがグルの可能性もある… 例えばそらるさんがはなちゃんを逃がして、天月くんの家にポスターを入れたとか…… 続きが楽しみです、待ってます!

ユーザー

そらニコなんか怪しいぞ? あのことってなんだ??? 知られないこと…誰に知られたんだ? そらるさんは昔まふくんと何かあったの? まふくんは幸せになっちゃいけない人間じゃ ないよぉぉおおおおお!!!!!!!😭😭 めちゃくちゃ続き楽しみに 待ってます(*^^*)

ユーザー

サムネ画像かっこよかったです! もしかして二人って昔になんかあったのか...?全員が怪しく見えているのは自分だけなのか!?と言うことを一人で考えていますw

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