奏思
なあ、君島
眞綺
な、何?田篠
奏思
社会の教科書貸してくんない?
眞綺
また忘れちゃったの?
眞綺
これで何回目よ
奏思
なんでもするから。
奏思
な?今回だけ!頼むよ!
眞綺
今日が最後だよ。
こんなくだらない会話が、ずっと続いて欲しい
なんでそう思ってしまうのだろう。
ずっとクラスが一緒で、安心するから?
保育園からの腐れ縁で、なんでも分かち合えるから?
なんか、違う
私はもう6年生
小学校生活、あと1年も無い
あと少しで卒業
こんなこと考えてる暇は無い
もうこのことを考えるのはやめよう。
うーん…
眞綺
やめられるわけないじゃーん!
佐藤先生
どうした?君島
眞綺
な、なんでもないでーす…
佐藤先生
そうか。ならいいが。
授業終了後
奏思
お前何叫んでんの?ww
奏思
スゲーウケたんだけどww
眞綺
私にとっては大事なことなの!
奏思
大事なこと?なんだよそれ。
眞綺
好きな人のこと!田篠には関係ないでしょ!
私何言ってるんだろ!
好きな人はあなた…なんて…
眞綺
言えるわけないでしょー!!
奏思
なんだよ!うるっせーなー!
眞綺
あぁ…ごめん
授業
佐藤先生
授業始めるぞー。
授業中
佐藤先生
こうなるわけだっと…
佐藤先生
…全然関係ない話だが、
佐藤先生
先生は奥さんにどうやってプロポーズしたか知りたいか???
眞綺
キョーミないんですけど…
奏思
知りたい!知りたい!どうやったの!!
眞綺
(変なところに目行くんだから)
眞綺
(まあ、そういうところが好き…なんだけどね…)
佐藤先生
月が綺麗ですねって言ったんだ。
佐藤先生
あー懐かしいなー
奏思
月が綺麗ですね?
奏思
何言ってんだ?
佐藤先生
月が綺麗ですねってのは、告白の意味もあるんだ
佐藤先生
知らないだろ。
佐藤先生
もう少しすれば習うからな
授業終了後
奏思
へぇー
奏思
月が綺麗ですねって告白の意味があんのか〜
奏思
知らんかったわ〜
奏思
俺も好きな人にそうやって告白しようかな〜
眞綺
え!?田篠、好きな人とかいんの!?
奏思
いちゃ悪いかよ
眞綺
いや、そうじゃなくて、
眞綺
以外だなーと思って
眞綺
(田篠って好きな人、いるんだ)
眞綺
(じゃあ、告白しても振られるだけじゃん)
眞綺
(って、なに私こんなこと考えてるんだろ)
眞綺
(やっぱり好き…なのかな…?)
奏思
どうした?君島?考え事か?
眞綺
うん…ちょっと…
奏思
わかった!好きな人にどう告白しようか考えてたのか!
眞綺
は、はあ?
眞綺
(ドンピシャじゃん…こういうとこだけ鋭いんだから…)
奏思の友達
なあ!奏思!サッカー行かね?
奏思
おう!いいぜ!
奏思
ってことで君島!俺ちょっと行ってくるから!
眞綺
う、うん!
琉那
あら!平平凡凡の君島さんじゃない〜
眞綺
お、岡崎さん…
心実
あんたみたいな奴が、奏思くんと釣り合うとでも思ってるの?
最愛
フフフ!奏思くんは琉那のことが好きだとも知らないで、アタックしまくっちゃって!可哀想〜!
眞綺
そ、そうなの?
琉那
そうに決まってるじゃない!
琉那
奏思くんの好きなタイプは可愛くて家庭的な女の子なのよー!
琉那
こんなにこのタイプの条件にあってる人は琉那しかいないもん!
眞綺
でも…それはただの推測であって…
最愛
なに!?このクラスの女王様になんか文句でもあんの!
心実
それに、こんなことはないとは思うけど、もしも奏思くんが琉那のこと好きじゃなかったとしても、あなたと琉那だったら、琉那の方が絶対マシでしょ!
最愛
てか、ダントツに決まってるよ!
佐藤先生
授業始めるぞー
佐藤先生
各自席に着けー!
奏思
おう!君島!あれ…?なんか元気ない?
眞綺
な、なんでもないの!気にしないで!
奏思
そうか?それならいいけど
この会話を見て、琉那は密かに笑っていたのでした
琉那
フフフ…
授業終了後
奏思
今日の授業全部終わったー!
奏思
俺乙ー!
心実
ねえねえ!今日琉那が放課後屋上に来てだって!
奏思
俺が行けばいいのか?
最愛
そう!絶対来てだってさ!
眞綺
(妙な胸騒ぎがする…)
眞綺
(まさか…告白!?)
眞綺
(休み時間中、岡崎さんたちは、確か…)
最愛
奏思くんは琉那のこと好きなんだよー!
眞綺
(ヤバイ!)
放課後
屋上
眞綺
結局来てしまった…
眞綺
結果が気になるからって、部活サボってまでこんなことはするつもりはなかったんだけど…
眞綺
もうしょうがない!
奏思
あっ!岡崎
奏思
なんだ?絶対来いって言われて来たんだけど
琉那
琉那ねぇ〜!えっとぉ〜…
琉那
奏思くんのことが好きなのぉ〜!
琉那
だから…
琉那
付き合ってください♡
眞綺
まじの方の告白じゃん!
奏思
…
琉那
…
眞綺
…
奏思
…ごめん…
琉那
え、えぇ!なんで〜?
奏思
俺、他に好きな人がいるんだ…
琉那
だ、誰よ!
奏思
俺の本当に好きな奴は、
奏思
いつも明るくて、しっかりしてそうな感じだけど、ちょっと抜けてるとこもあって
奏思
勉強はあんまりできないけど、休み時間潰してまで、いや、理解するまでやって
奏思
できないことはほったらかしにしないで、できるまで諦めずにやり遂げる
奏思
凄い人なんだ…
奏思
俺、そいつのこと、好きなのもあるけど尊敬してるのもある…。
奏思
確かに見た目からすれば平平凡凡かもしれないけど、
奏思
俺にはそいつの周りが黄金色に輝いているんだ!
奏思
それぐらい、すげー奴なんだ。
琉那
で、で!?誰なの?
奏思
眞綺だ…
眞綺
え!?!?!?!?
奏思
眞綺!?いつから居たんだよ!
眞綺
奏思が来てから、ずっと…
奏思
マ、マジで?
眞綺
マジで…
奏思
じゃあ、今のも聞かれてたんじゃん!
奏思
最悪だわ〜!
眞綺
ウフフ…
奏思
なに笑ってんだよ!
奏思
…返事、今じゃなくていいから…
眞綺
いや、今言う
眞綺
私は星が綺麗に光って見えます!
奏思
は?
眞綺
返事したよ
琉那
ま、まさか!
奏思
…ああ!そう言うことか!
眞綺
(相変わらず鈍いなあ)
奏思
俺もめっちゃ綺麗に光って見えるよ!
琉那
クソッ!
そして、8年後
私たちは結婚しました
今は、2人の双子と言う名の子宝に恵まれています
私たちはこれから先も、
死ぬ1秒前まで
一緒に笑って生きることを誓います