コメント
3件
好きすぎますぅ、 どうやったらこんな神作を 生み出せるんですか… 枯れない向日葵… 気になることが多すぎます…、 続き頑張ってください!!!
____それはもう、
夏に現れる亡霊のような。
本当に……………不気味で、でも美しい、姿であった。
ないこ
ないこ
………どこかで見たことがある。
いや、実際に見たことは無いけど、 何となく既視感を感じる。
不思議な感覚だった。
ないこ
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
ないこ
ないこ
ほとけ
ないこ
ないこ
_____幽霊?
ほとけ
ほとけ
ないこ
ないこ
ないこ
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
ないこ
ないこ
ないこ
ほとけ
………母さんとおばあちゃんは、 もう少し村長さんの家で話してから帰るらしい。
僕は、午後の林を歩いて帰っていた。
…………先程おかしなものを見たからだろうか、
どことなく背後から気配を感じながら歩いていた。
ほとけ
多分ここ、肝試しに向いてると思う。
…………どうせなら、友達と来たかったな。
ほとけ
…………、
どうせ、帰っても1人なんだろうな。
そう思えば、少しだけ好奇心が湧いた。
ほとけ
少しだけ、林の奥に行きたくなった。
好奇心、
探究心、
…………いや、“吸い込まれる”が正しいかもしれない。
僕は、半分魅入るようになり奥向かって歩き出した。
ほとけ
今思えば、今は7月だ。
暑いなんて当たり前だろう。
木陰を歩いているからまだマシなものの。
日焼けもしないと思いたい。
ほとけ
川だ。
道の傍らに、水が細々と流れている。
小さめの川だった。
水は澄んでおり、川底が見えるくらいには綺麗な川。
都心の川とは全く違う。
…………田舎特有の、といえば聞こえは悪いが、
本当に綺麗な川だった。
ぱしゃり
足を足首まで浸すと、涼し気な音を立て、
冷気が浸けた部分に染みる。
ほとけ
思ったより冷たかった。
学校のプールに足を浸けたかのような、鋭い冷たさ。
上半身まで涼しくなってくる。
ほとけ
足が水に浸かり揺らぐ。
少し足をパタパタと動かせば、
小さな水しぶきが起こり波紋が広がる。
そして、
その水面には微かにだが自分の姿が_____
ほとけ
…………違う。
ここに映るのは____
“僕じゃない”。
ほとけ
寒気がし、後ろを振り向くが、そこには誰もいない。
…………じゃあ何が、
今、何が映ったの?
ほとけ
…………水に、突然引きずり込まれた。
足には確かに、誰かが触れている感触がある。
ほとけ
ほとけ
足掻く。
でも足掻いても足掻いても陸には上がれなくて。
足は地にはつかなくて。
ほとけ
水に完全に頭まで全身が沈んだその時。
?
……………嘲笑うような、
微笑むような、
微かな笑い声が聞こえてきた。
ほとけ
陸に上がり肩で息を繰り返す。
生きていることに安堵し、息を整えるのもつかの間___
ほとけ
…………目の前の光景に目を疑った。
ほとけ
見覚えのない神社。
少し小さな、
少し崩れ掛けの脆い神社。
_____何でここに。
?
ほとけ
?
ほとけ
そこで気付いた。
……………僕に笑いかけたその少年。
その、体が透けていることに。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
?
ほとけ
?
?
ほとけ
?
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
“飼う”…………?
初兎
初兎
初兎
ほとけ
さっきないちゃんから聞いた。
…………そうだ、確かに庭先には小さなお墓があった筈だ。
確かにそのウサギは、ないちゃんが言うにはもう、
寿命を迎えていたはず。
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
その子は、少しだけ微笑んで顔を俯かせた。
白いシャツから覗く腕が、また少し透ける。
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
……………そこまで言って思い出す。
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
初兎
初兎
その子は、
その子の笑顔は、文字通り透き通っていた。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
…………自分でも、何でそう言ったのか分からない。
命の短い彼らを哀れんだのか、
はたまた、同情したのか。
定かではないけど、口が勝手に動いていた。
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
その、初兎………ちゃんは、ぐいぐいとこちらに距離を詰め、
僕の手を握った。
…………透けてるのに、触れるんだ。
体温は感じない。かと言って、冷たくもない。
不思議な感覚だった。
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
その瞬間、辺りから凄まじい風圧を感じ、
僕は目を瞑った。
…………やけに冷たい空気を感じる。
……………おかしいな、さっきまでの川の鳥の囀りが聴こえない。
その代わり、ひぐらしの声がよく聴こえる。
そこで僕は、ぎゅっと瞑っていた目を少しずつ開けた。
ほとけ
先程までの神社は嘘だったかのように消え去り、
そこには、よく知る僕の祖父母の家があった。
そして、よく晴れていたはずの空は。
日が沈み、藍に染まっていた。
NEXT▶
Ji5k1/