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5年前、地球外生命体、通称『クモ』が飛来した。

ここは、『クモ』を研究するための施設である。

事件は、昨夜発生した。

桂木

やはり、すごい生物だ…!

助手

まさか、チンパンジーにも寄生できるなんて!

桂木

脳内に侵入し、自由自在に身体を動かしている

助手

完璧に乗っ取っていますね

助手

すごいですけど、恐ろしい…

桂木

たしかに

桂木

地球にも宿主を操る寄生生物はいるが

桂木

ここまで完璧に動かせるものはいない

助手

──もしもですよ

助手

クモが人間に寄生したら…

桂木

真偽は定かではないが、以前は人体実験もしていたらしい…

助手

そ、そうなんですか!?

桂木

クモは人間の記憶を読み取り

桂木

人間になりきることもできたそうだ

桂木

結果として、見分けるのは困難と判明し

桂木

人体実験は中止されたという…

助手

見分けるのは困難…

助手

もしクモが逃げだしたら、人間社会が乗っ取られることも──

研究員A

た、大変です!

桂木

どうした!?

研究員A

ク、クモが脱走しました!

桂木

何だって!

桂木

責任者の北芝はどうした!?

研究員A

そ、それが…

研究員A

自殺しました…!

北芝は、研究室で首を吊って死んでいた。

桂木

まさか、そんな…

桂木

ん…?

助手

北芝くんは結婚を控えていたんですよ!

助手

毎日幸せそうでした!

助手

自殺なんて、ありえない!

桂木

ああ、そのとおりだ

桂木

北芝は、自殺したんじゃない

桂木

クモに、殺されたんだ

研究員A

助手

えっ

桂木

彼の耳から血が流れているだろう

桂木

これはクモが寄生した後、身体から抜けだした痕跡だ

助手

たしかに!

桂木

北芝の身体を操り、自殺させる

桂木

その後、身体を抜けだし、潜伏しているんだろう…

助手

どうしてそんなことを…?

桂木

我々から逃げるためだ

桂木

施設を出るだけなら、誰かに寄生したまま外に出ればいい

桂木

だが、それだとすぐに追っ手が来る

桂木

だから事情を知る研究員すべて

桂木

殺そうとしているんだと思う…

助手

そんな!

助手

早くクモを捕らえないと!

研究員A

──させませんよ

桂木

しまった!

助手

あ、あなたが寄生されて──

女性研究員は、隠し持っていた斧を振り下ろした。

現在

暁美

──は!

志穂

起きた?

暁美

ここは、どこ…?

志穂

寝ぼけてるね

志穂

ここは山小屋

志穂

スキー旅行に来て、天候が荒れて迷って

志穂

この山小屋に避難したんでしょ

暁美

そうだった…

現在、山小屋には6人いる。

みな高校の同級生だ。

暁美

まだ助けは来ない?

志穂

うん…

誠司

起きたか、暁美

陽介

すごいもの見つけたぜ!

陽介

床下に核シェルターだ!

暁美

何それ!?

誠司

腹が減ったから食料を探してたんだけど

誠司

床の一部が外れてな…

誠司

そこに、これがあったんだ

床下には、分厚い扉があった。

隆一郎

見た目は核シェルターですけど…

隆一郎

山小屋の地下にあるのはどうしてでしょう…?

ミヒロ

中に入れないかな?

ミヒロ

きっと暖かいよ

そのとき、扉の横にある画面が反応した。

『認証確認』

表示が出た後、重々しい音が響いて扉が開いた。

暁美

開いた!?

陽介

何か知らんがラッキー!

誠司

お、おい、入るのか?

陽介

ビビってんのか?

誠司

そういうわけじゃないけど…

隆一郎

勝手に入るのはどうですかね…

ミヒロ

私たち遭難中なんだよ

ミヒロ

緊急事態だから仕方ないって

陽介

そうそう、入ろうぜ

志穂

ほら、暁美も行こう

暁美

う、うん…

暁美

誠司も行こう

誠司はスキー用のストックを持っていた。

暁美

それ持ってくの?

誠司

このストックは登山時のクマ対策も兼ねて

誠司

先端を鋭利なものに改造してあるんだ

暁美

そんな物騒な…

誠司

何が出てくるかわからんだろ

暁美

怖いこと言うのやめてよ…

誠司

大丈夫、これで暁美を守るから

暁美

あ、ありがとう…!

志穂

…………

隆一郎

…………

暁美

(志穂と隆一郎が睨んでる…)

暁美

(そうだよね、浮ついちゃいけないよね…)

誠司

ここは…

ミヒロ

広ーい!

ミヒロ

けど薄暗くて怖ーい

ミヒロは、恋人の陽介にすり寄った。

陽介

てか、これシェルターじゃなくね?

隆一郎

これはむしろ──研究施設?

志穂

何か嫌な雰囲気…

陽介

とにかく、食料探そうぜ

暁美

…………

隆一郎

あ、暁美さん、気分悪そうですけど…

志穂

私も気になってたけど、大丈夫?

暁美

う、うん

隆一郎

きつかったら言ってください

隆一郎

肩、貸しますので…

暁美

あ、ありが──

志穂

小柄な隆一郎じゃ支えられないでしょ

志穂

てかあんたみたいなキモ男が暁美に触れようとしないで

隆一郎

…………

陽介

な、なんだこれ!

ミヒロ

きゃー!

誠司

どうした!?

陽介

た、大変だ…!

陽介

ひ、人が死んでる…!

その部屋には、3体の死体があった。

隆一郎

ここで殺人が起きた!?

隆一郎

しかも最近…!

誠司

血まみれの死体が2体…

誠司

首つり死体が1体…

誠司

いったい何が起きたんだ?

ミヒロ

そんなことどうでもいい!

ミヒロ

早く逃げよう!

陽介

さ、賛成!

志穂

ちょっと待って!

志穂

あそこに誰かいる!

???

…………

隆一郎

赤い服の、女の人…?

暁美

ち、違う…

暁美

あれは、血に染まった白衣…

志穂

えっ…

暁美

は、早く逃げ──

そのとき、女性が振り返った。

グニュル、ギニュ…

陽介

な、何だあいつ!?

陽介

耳から、触手が出てきた!?

志穂

キ、キモ!

ミヒロ

ば、化け物!

???

お前ら全員

殺す

触手の生えた女は、斧を振り上げ襲ってきた。

私たちの中に、敵がいる

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