crisispass

依央ちゃんが練習に来なくて3日経った

コンコンコン ガチャッ

「やっぱり辞めるなんて嘘だったじゃねーか」

「今度は誰に迷惑掛けてるんだ？」

「ガキはいいよな、気楽で」

「どうせ上手くいかねーよ」

「さっさと辞めちまえよ、また」

うるさい

黙れ

何も知らないで

勝手に夢を諦めたくせに言ってくんな！！！

…そう、言えたら良かったのに

それに、自分が思ったよりも過去に引きずられていたことにも驚いている

こんなに、辛いなんて

コンコンコン

ガチャッ

彼女はベッドの傍に座った

ぽんと布団越しに背中を叩かれる

布団を被って背中を向けてしまっている彼女の背中を撫でる

声からして凄く苦しかったんだろう

辛かったんだろう

…ああ、この人…

本当に…バカかも

起き上がって彼女を見た

可愛がるように頭を撫でながら髪を直してくれた

アンタが言うな！！！