試合まではあと3日
少しでも可愛いって思って欲しくて
放課後さやかを私の家に誘って 週末に着る服を選んでいた
長山はる
平山さやか
平山さやか
平山さやか
長山はる
長山はる
平山さやか
長山はる
平山さやか
長山はる
それからさやかは私のクローゼットの中からスキニーやシャツ ビスチェなど
色々出して私に当てては丁寧に直して
さすが私の親友と感心していた
平山さやか
私に見せてきたのは
薄いピンクのワンピースに カーディガンを合わせたコーデ
春っぽく女の子らしいコーディネートでものすごく可愛い
長山はる
平山さやか
私自身持っていた服だから着たことはあったけど ワンピース自体は私に似合う自信がなくて1回着たきりになっていた
長山はる
平山さやか
平山さやか
ニコッと笑うさやかは同い年なのにお姉さんに感じた
試合まであと2日
今日もいつも通り学校があっていつも通り授業を受けて
なにか変わったと言えば
よく廉と話すようになった
好きだから話しかけちゃうし
好きだから話しかけられても無視できない
サッカー部での話とか
ゲームとかドラマの話
全部たわいのない話だけど 私の中ではひとつひとつがしっかりとした思い出
午後の授業後の休み時間 私は中庭を見て思う
桜が散りそう、
春が終わると思えばなんだか切なくなる
こんなことも共有出来たらな、なんて思ってる私は
廉のこと大好きなんだって ふと思う
廉は今クラスの男の子とどこか 教室じゃないところにいて、
廉が見てる景色と 私が見た景色を
たった10秒でいいから
交換したい、
でも、そんなことより、
見えてない世界を取り替えるより
見えていてすぐに理解できる メッセージや、
直接会って話す
その方が嬉しいのだって
後々思う、
幸せは言葉で共有して楽しい時間を過ごす方がいいって
実感するとわかるこの感じ、
また話したいな、
廉と
試合まであと1日
放課後にヘアメイクも さやかに教えて貰って
服装に合うものを教えて貰って
その日の夜はルンルンだった
夜までは、
試合まで5時間前
私は起きた途端に頭がフラフラしていた
お母さんに心配され 体温計で熱を測る、
長山はる
長山はる
廉に行くって言ったのに、
さやかに服もメイクも教えて貰ったのに
全部台無し、
夜風に当たりすぎたのかな、
最悪だ、
とりあえず
廉にLINEしなきゃ、
さやかにも、
部屋で寝くるまっていた私は LINEを開き
廉のアイコンを探す
ごめんね、
行けるなんて言ったのに、
熱なんか出しちゃうドジでごめんね、
タイミング悪いよ、
私、
廉ごめんね と 今日試合見に行けなくなった
とだけ送って私は寝込んでしまった、
気づいたら眠っていて
時計を見れば試合まであと2時間、
携帯の電源を入れれば LINEの通知も 不在着信の通知も 沢山入ってた
“どうした?用事?”
“体調悪かった?”
“不在着信”
“なんで返事してこやんの?”
“不在着信”
どうしよ、
廉に心配させちゃってる、
慌てて返事をする、
“ごめん返事に気づかなくて、 風邪ひいちゃって、”
嘘でもいいから心配して欲しい、
たった1行でいいから、
“大丈夫か?”
って廉からの言葉が欲しい
たとえ嘘でも、 言葉だけで心がこもってなくても
廉からなら信じられる気がして、
それはきっと、
好きだから、
特別に思えてくる、
ただそれだけの話なんだよね、
あれから3時間後
廉からの返事は来ず
既読だけが着いた状態
試合始まっちゃったのか、
廉のサッカーしてるところ見たかったな、
私って運悪すぎるでしょ、
なんて考えていたらインターホンが部屋に鳴り響く
お母さんは仕事に行っちゃったし お父さんはそもそも出張で、
家には私しかいない
出なきゃと思うけど体が重くて
壁をつたって歩くかのような遅いのろま歩き、
玄関までやっとたどり着いて扉を開けて出てみる
長山はる
そこには息切れしてる
試合終わりであろう廉の姿が、
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