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莉犬
パチッ
莉犬
ママ？
莉犬
どこ？
目玉
……
莉犬
ママじゃない
莉犬
ここは どこなの？
目玉
……
莉犬
…あれ？
莉犬
むし？
莉犬
しかたない ！
莉犬
ママを さがしにいこ！
莉犬
そういえば おててどこにいったのかな
莉犬
ここからそとにでれそうだけど
莉犬
どうしよーかな
莉犬
めだまさんにかくにんしてからいこう！
莉犬
めだまさん！
目玉
何デスカ？
莉犬
ママに会いたいの！
莉犬
どこにいけばいいの？
目玉
ドウシテモ
ママニ
アイタイノデスカ？
ママニ
アイタイノデスカ？
莉犬
どうしても！
目玉
……………
莉犬
あっち？
目玉
カンシニ
気ヲツケテ
クダサイ
気ヲツケテ
クダサイ
莉犬
かんしってなーに？
目玉
アナタ達ノ
テキデス
テキデス
莉犬
う～ん？
なにそれ
なにそれ
莉犬
この中に
おててあるかなぁ
おててあるかなぁ
莉犬
わかんないけど
きおつけるね！
きおつけるね！
莉犬
う～ん？
おててないから
さがせないや！
おててないから
さがせないや！
莉犬
わぁ～
なんだこれ！
なんだこれ！
タネ
やっとお目覚めかい？
タネ
キミのお兄さんはとっくに目覚めているというのに
莉犬
しゃべった！
みきはなんなの？
みきはなんなの？
タネ
僕達は
外から来た
タネだ
外から来た
タネだ
タネ
まぁ
出来損ないなんだけどね
出来損ないなんだけどね
タネ
このまま
二日も経てば
消えるさ
二日も経てば
消えるさ
タネ
僕みたいに
しゃべるやつも入れば
しゃべるやつも入れば
タネ
会話すら
出来ない奴もいるんだ
出来ない奴もいるんだ
タネ
会話が 出来ても
自分が 特別と
言い張る バカもいる
自分が 特別と
言い張る バカもいる
莉犬
へー
できそこないなんだ
できそこないなんだ
莉犬
できそこないってなぁに？
タネ
おや
分からないのかい？
分からないのかい？
タネ
キミ 自身だって
同じような
ものだろう？
同じような
ものだろう？
莉犬
そーなの？
わかんないや
ごめんね！
わかんないや
ごめんね！
莉犬
いまは
ママにあわなきゃ
いけないんだ
ママにあわなきゃ
いけないんだ
タネ
そうか
まぁ 頑張れよ
まぁ 頑張れよ
莉犬
うん！
莉犬
これは
なんだろう？
なんだろう？
ジェル
んぐ～
スぴぃ～……
スぴぃ～……
莉犬
どうしよう
ねてるのかな？
おきてー…
ねてるのかな？
おきてー…
ジェル
すぴぃ…
すぴょ…
すぴょ…
莉犬
すごい…
ぜんぜんおきない
おきてーおーキーてー！
ぜんぜんおきない
おきてーおーキーてー！
莉犬
ドカッ
ジェル
ごフッ
ジェル
あー
なんとも 大胆な
起こし方だ
なんとも 大胆な
起こし方だ
莉犬
キミは？
ジェル
オレはお前の
双子の
お兄ちゃんだ
双子の
お兄ちゃんだ
ジェル
ようやく
お前も
目を覚ましたんだな
お前も
目を覚ましたんだな
莉犬
おにぃちゃん
かぁ！
かぁ！
莉犬
ねてたのは
おにぃちゃんの
ほうじゃない？
おにぃちゃんの
ほうじゃない？
ジェル
お前も さっきまで
ねてただろー！
ねてただろー！
ジェル
それより
ジェル
お前も かんしに
腕を 取られた
のか？
腕を 取られた
のか？
ジェル
2人そろって
取られちまった
なんてなぁ
取られちまった
なんてなぁ
ジェル
さすが
双子って
感じだ
双子って
感じだ
莉犬
かんしってなぁに？
ジェル
カンシは
時々やってきて
時々やってきて
ジェル
俺らの1部を
ちぎって
もって行くんだ
ちぎって
もって行くんだ
莉犬
どうして？
ジェル
さぁね
そこまでは
オレも分からないさ
そこまでは
オレも分からないさ
ジェル
大きな音が
聞こえたら
注意しろよ
聞こえたら
注意しろよ
ジェル
音が鳴ったら
眠くなって
眠くなって
ジェル
起きて 気がつくと
どこかを
ちぎられている
どこかを
ちぎられている
ジェル
少しずつ
少しずつ
少しずつ
ジェル
ちぎれて行って
最期は
最期は
ジェル
そのまま
溶けて
死ぬらしい
溶けて
死ぬらしい
莉犬
やだよ！
ママにあいたい！
ママにあいたい！
ジェル
あぁ
そうだな
そうだな
ジェル
だけど
俺らは
いろいろ足りないんだ
俺らは
いろいろ足りないんだ
ジェル
オレは
片目と足が
無いし
片目と足が
無いし
ジェル
お前は
脳と腕が
足りない
脳と腕が
足りない
莉犬
どうしたらいいの？
ジェル
あー まずは
腕より
脳かなぁ
腕より
脳かなぁ
莉犬
のうって
なぁに？
なぁに？
ジェル
えーあぁー
えーっとどう説明あ、
頭だ頭
えーっとどう説明あ、
頭だ頭
莉犬
あたま あるよ？
ジェル
………
そういう
トコロだな…
そういう
トコロだな…
ジェル
今の お前じゃ
ママに
会えたとしても
ママに
会えたとしても
ジェル
迷惑を
かけるだけだ
かけるだけだ
ジェル
だから 最初は…「脳」が
必要だな
必要だな
ジェル
ママ達は
見た目以上に
アタマを欲しがる
見た目以上に
アタマを欲しがる
ジェル
ママに
会いたいなら
アタマを優先しろ
会いたいなら
アタマを優先しろ
莉犬
へぇー
アタマとのう
ってやつかぁ
アタマとのう
ってやつかぁ
莉犬
よく
わかんないや！
わかんないや！
ジェル
うーん
これだと
先が長そうだ
これだと
先が長そうだ
ジェル
まぁ
ゆっくりやって行こうか
ゆっくりやって行こうか
ジェル
まず ここから出た
すぐに「ママの声」が
あってな
すぐに「ママの声」が
あってな
ジェル
今なら
何か聞こえるかも
しれないから
何か聞こえるかも
しれないから
ジェル
行って
聞いてこい
聞いてこい
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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