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Deep Sea-深い海-

第1話 - Deep Sea-深い海-

2019年07月05日

#ホラー

#海

#異世界

郷介

なぁ、翔太

翔太

なんだ？

郷介

俺…実は…

郷介

夏菜子…

翔太

夏菜子がどうした？

郷介

い、いやどうもしてないよ

翔太

よかった

翔太

好きとか言い出したらどうしようかと思ったよw

郷介

ww…

郷介

あ、そういや、夏菜子とはどう？

郷介

順調か？

翔太

ああ、絶好調だぜ

郷介

やっぱり、夏菜子にはお前しかいないな！

翔太

え、マジで？

郷介

ああ！お前ら2人、お似合いだぞ！

翔太

あ、ありがとなw

郷介

お、おう…

翌日

翔太

夏にピッタリな場所見つけた！

郷介

お、どこだ？

翔太

俺ん家の裏の海！

郷介

え？お前ん家の裏の海くらい行ったことあるよ

郷介

何回も

翔太

いや、今回は違う…

郷介

なんなんだ？

翔太

ばあちゃんから聞いたんだけど

郷介

ああ

翔太

俺ん家の裏の海で昔子供が溺れて死んだらしいんだ

郷介

子供？

翔太

ああ、生きてたら、俺らと同い年らしい

郷介

へぇー

郷介

知ってるやつかな？

翔太

さぁな…どうだろ

翔太

で、話の続きなんだけど

郷介

ああ

翔太

その海に、夜の9時に浸かると…

郷介

浸かると？

翔太

足を引っ張られるらしい

郷介

え！怖！

翔太

足を引っ張られ、深い海に飲み込まれたら…

郷介

まさか？

翔太

もう二度と帰ってこれない…

郷介

え、それ本当？

郷介

本当なら、超怖いな

翔太

だよね…

翔太

なぁ！今年の夏、肝試ししようぜ！

郷介

え…嫌だ…

郷介

俺、怖いの無理だし…

翔太

そんなこと言うなって！

翔太

あ、夏菜子も来るぞ

郷介

え、マジ？

翔太

ああ、マジだよ

翔太

来る？

郷介

しょうがねーなー

郷介

行くよ

そして、夏になり

夏休みに入った

夜、8時30分

翔太の家の前に集合した

翔太

よし！集まったし

翔太

行くか！

郷介

おお

夏菜子

う、うん…

15分後

翔太

よし、いよいよだな！

翔太

あとは9時になったら、海に入るだけだ

郷介

ああ、そうだな

夏菜子

わ、私は…

夏菜子

入らない…

翔太

え、なんで？

夏菜子

だって…

翔太

怖いのか？

夏菜子

うん…

郷介

じゃあ、俺と夏菜子は一緒にいるから、まずはお前からだ

翔太

わ、わかった…

そして

夜 9時になった

翔太

じゃあ、浸かるぞ

郷介

ああ

夏菜子

うん…

チャポン

と、海に浸かると

深い方へと、泳いでいく

数分後

郷介

翔太、消えたか？

夏菜子

まさか…

バタバタ

翔太

郷介ー！助けてくれー！

郷介

翔太！

郷介

今…

夏菜子

だめ！

郷介

なんで…

夏菜子

郷介も行ったら…

夏菜子

被害が増えるだけよ！

郷介

ま、まぁ、確かに…

翔太

郷…す…け…

翔太

た……け…て…

翔太

あぁぁーーー！！！

その時

翔太の声が届いた者は

夏菜子

翔太くん？

郷介

なんだよ、急に大きな声で叫び出して…

翔太

え？

郷介

お前、寝ぼけてんの？

郷介

顔洗ってこい

気づいたら

深い海に呑まれたはずが

普通に、学校にいた

郷介

顔洗ってきたか？

翔太

ああ

翔太

なぁ、夏菜子

夏菜子

なに？

翔太

今日、一緒に帰らない？

翔太

2人で

夏菜子

え、郷介と一緒じゃだめ？

翔太

え？なんでだよ

翔太

俺たち付き合ってるだろ

夏菜子

何言ってるの？翔太

翔太

え…

夏菜子

私は、郷介と付き合ってるの

夏菜子

翔太とは、友達だから！

翔太

え…

翔太

嘘…

俺は学校を飛び出した

翔太

はぁ…はぁ…

翔太

(どうなってんだよ！)

必死に走った

そして、

あの海に来た

幽霊

翔太

なんも変わってない…

幽霊

おや、呑まれ人か？

翔太

え、呑まれ人？

幽霊

見えるのか？わらわが

翔太

はい

幽霊

私は昔、この海で自殺した…

幽霊

理由は、いじめ…

翔太

まさか…

翔太

ばあちゃんが言ってた子って…

幽霊

ばあちゃん？

翔太

ああ、昔この海で溺死した子供がいるって聞いたんです

翔太

ばあちゃんから

幽霊

ああ、そうかい

翔太

で、どうなってるんだ？

翔太

この世界は

幽霊

この世界は死後の世界

翔太

死後の世界？

翔太

じゃあ、なぜ郷介と夏菜子が？

幽霊

それは…

幽霊

わかりかねますが…

幽霊

おそらく、近々死ぬのではないでしょうか？

翔太

え！？

翔太

いや、せめてあいつらだけは！

翔太

お願いだ！助けてくれ！

幽霊

遅いよ

幽霊

もう殺されたよ

幽霊

殺し屋にね

幽霊

そのうち、海に投げられるよ

翔太

そんな…

幽霊

ほら、ニュースも出てる

翔太

え…

翔太

そんな…

幽霊

報いだよ

翔太

報い？

幽霊

お前らさぁ、小学校の時覚えてない？

翔太

え？

幽霊

覚えてないかぁー

幽霊

なら、実演してやるよ

幽霊

まず、腹に一発パンチ

翔太

うっ

幽霊

頬をビンタ

翔太

痛っ

幽霊

あとは、ひたすら、暴力をやり続ける

幽霊

思い出したか？

翔太

あ！

翔太

サキか！

翔太

黒石サキ！

幽霊

やっと、思い出してくれたか…

幽霊

私が、黒石サキよ

幽霊

そうだ！

幽霊

あと2人も連れてこようか

翔太

何する気だ？

幽霊

そんなの決まってるじゃない

幽霊

とどめをさすのよ

翔太

とどめ…

数分後

郷介

おお、翔太どうしたの？

翔太

黙れ

幽霊

これでやっと3人揃った…

幽霊

これで未練なく、成仏できるわ

郷介

お、おいこいつ何者だ？

翔太

黙れ

幽霊

おとなしくしなさい！

幽霊

さ、とどめを討とうかしら

幽霊

一生、地獄で暮らしなさい！

翔太

や、やめるんだ！

幽霊

やめない！

幽霊

私はこれで…

幽霊

満たされる！

彼女は突然呪文のようなものを唱え始めた

数分後

幽霊

これで！消えなさい！

そして、

気がつくと

彼女は成仏したのか

消えていた

翔太

はぁ…終わった…

翔太

なぁ、郷介…

翔太

郷介？

郷介は取り憑かれたように

呪文のようなものを言い続けていた…

俺たちは、こういう運命なんだ…

昔、いじめという罪を犯してしまったから…

地獄に堕ちたんだ…

翔太

(でもなぜだ？俺は呪文を言っていない…)

幽霊

こっちへこい

翔太

はい

俺は導かれるままに

深い海の底に

きた

幽霊

お前はここに一生いろ

幽霊

人が来たら引きづりこめ

翔太

はい

終

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渦巻く想い積年の怨みが、訪れた人間を深い海の底へと引きずり込むのでしょうね。

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