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遠山 一葉

鈴?

遠山 一葉

…なぁ、大丈夫か?

遠山 一葉

おい、鈴?

本橋 鈴

え?

本橋 鈴

あっ!!

本橋 鈴

ごめん、ちょっと考え事してて

本橋 鈴

…なんですか?

遠山 一葉

いや、俺今日、途中までしか帰れなくてさ

本橋 鈴

え、どうしてですか!?

遠山 一葉

ちょっとな、!
買い物頼まれちゃって

本橋 鈴

…じゃあ、私も!!

遠山 一葉

いや、いいよ。
ありがとう!

遠山 一葉

じゃあ、ここで

本橋 鈴

分かりました…

本橋 鈴

また明日っ!!

本橋 鈴

(…琉生くんと明日、話せるかな?)

本橋 鈴

(ちゃんと顔を見て)

本橋 鈴

(笑顔で話そう。)

本橋 鈴

(私は大丈夫だって。)

若草 椥

あぁ、やっぱり。

俺はアルバムの中から 1枚の写真を取り出した。

若草 椥

遠山 一葉だっけ…

それは俺と一葉が 小さいときに撮った写真だった。

ーガチャ

椥、もうそろそろ病院に行った方がいいんじゃないか?

若草 椥

あ、ほんとだ

本当についていかなくていいのか?

若草 椥

うん。

若草 椥

検査だけだし

若草 椥

じゃあ、行ってくる

いってらっしゃい

看護師

ごめんね、椥ちゃん!
もうちょっと待ってて。

看護師

先生、ちょっと時間かかってるみたいで…

若草 椥

…時間あるんで全然大丈夫です。

若草 椥

…あれ

若草 椥

なんであいつ病院に…

足が勝手にあいつの方に 向かっていた。

若草 椥

…遠山 一葉

遠山 一葉

ん?

遠山 一葉

…ごめん

遠山 一葉

誰だっけ?

遠山 一葉

…、

遠山 一葉

悪いな、俺
頭壊れてっから。

一葉は人差し指で頭をつついた。

俺はさっき見てた写真を 一葉に見せた。

遠山 一葉

あー!!!

遠山 一葉

椥だっけ!!!?

遠山 一葉

よくお前の病室に遊びに行ってたよなー。お母さんのお見舞いのついでに笑笑

遠山 一葉

お前、髪の毛めっちゃ長かったのに、今は男みたいだなーー笑笑

遠山 一葉

可愛かったのにもったいないな

若草 椥

…。

若草 椥

俺が決めたことだから…いいんだ。

若草 椥

お母さんのお見舞い?

遠山 一葉

違うよ。

遠山 一葉

お母さんは死んだ…らしい。

若草 椥

…らしい?

遠山 一葉

どうしても受け入れられないんだよね。

遠山 一葉

お母さんが病気で死んだなんてさ、

遠山 一葉

…俺の記憶にないから。

若草 椥

え…

砂川 星

華澄は体育祭何にでる予定?

松尾 華澄

えっとー、
200m走と色対抗リレーと男女対抗リレーに出たいなー

砂川 星

ははっ、すごいハードだね

砂川 星

リレー見るの楽しみになるね

松尾 華澄

星もリレーやらない!?
男女対抗リレー!!

砂川 星

えー、俺、足遅いよ?

松尾 華澄

50m走何秒?

砂川 星

えっと、6秒…92?

松尾 華澄

え、はやい!!
全然遅くないじゃん!!!

砂川 星

…え、そうなのかな?

砂川 星

真白と琉生なんて俺よりも速いよ

松尾 華澄

…え、それはヤバい笑!!

松尾 華澄

じゃあ、琉生と真白も男女混合リレーにでてもらおう!!

砂川 星

うん!

砂川 星

…そーだね!

松尾 華澄

…楽しみだー!!

松尾 華澄

…あ、星!!
見て見て!!

砂川 星

あ、凄い!
美味しそうだね

松尾 華澄

美味しそう…

そこはパン屋さんで焼きたてのパンがずらりと並んでいた

砂川 星

ふふっ

砂川 星

買ってどこかの公園で食べようか?

松尾 華澄

賛成ー!!

松尾 華澄

ん~!!

松尾 華澄

美味しいー!

パンを買って、小さな公園でブランコに座りながらパンを頬張った。

砂川 星

美味しいね~

松尾 華澄

明日、体育祭の出る種目決めて
体育の授業で練習あって

松尾 華澄

明後日が体育祭か!!

砂川 星

待ち遠しいね!!

松尾 華澄

本当に!!

松尾 華澄

あー、早く明後日にならないかな~

砂川 星

あー、待って!

砂川 星

早く時間が過ぎるなんてもったいなくない?

松尾 華澄

…うっ、それはそうだけど

砂川 星

俺は今の時間が一番いいな

松尾 華澄

…。

松尾 華澄

(星は恥ずかしいことを普通に言う。)

松尾 華澄

(顔があつくなって仕方ないよ。)

砂川 星

本当に可愛いね、華澄は。

松尾 華澄

(あぁ、ほら、また…。)

星はうちの横髪をかきあげた。

耳まであつくなってきた。

心臓が高まる。

全部、星に持っていかれそう。

だんだん星の顔が近づく

心臓が破裂しそう。

砂川 星

目、閉じて?

星はうちにキスを落とした。

遠山 一葉

遠山 一葉

俺は、

遠山 一葉

遠山 一葉

…記憶障害らしい。

遠山 一葉

まあ、事故だけど

若草 椥

記憶、障害…。

若草 椥

…なぁ、それっていつから?

遠山 一葉

えっとー、

遠山 一葉

…確か中1…

遠山 一葉

じゃないな…

遠山 一葉

小6だったかな

若草 椥

それ、鈴たちは知ってるのか?

遠山 一葉

鈴たち?

遠山 一葉

あぁ、琉生だっけ?

遠山 一葉

というか、鈴たちと友達?

若草 椥

あぁ、同じクラスの友達だ。

遠山 一葉

そーなんだね

遠山 一葉

俺は鈴と幼馴染み。

若草 椥

へぇ。

若草 椥

鈴は知ってるの?

遠山 一葉

…知らないよ。

若草 椥

鈴に伝えなくていいのかよっ!!

遠山 一葉

いいんだ。

遠山 一葉

俺にはもう何も残ってない

遠山 一葉

空っぽなんだ。

遠山 一葉

お母さんがいなくなった

遠山 一葉

俺はもう、生きる価値はない。

遠山 一葉

この街に来たのは

遠山 一葉

鈴に別れを伝えるため

遠山 一葉

またしばらくしたらここを去る

遠山 一葉

どうあがいても

遠山 一葉

俺はここに居てはいけないからね。

遠山 一葉

最後に、鈴に思いを伝える。

遠山 一葉

もう二度と会わないから。

若草 椥

…っなんで?

若草 椥

去られた側の気持ちを考えろよ

若草 椥

寂しいのはお前だけじゃないんだよ!

遠山 一葉

…そんなことは分かってる

遠山 一葉

でも無理なんだ

遠山 一葉

…無理なんだよ。

遠山 一葉

どう考えても俺は

遠山 一葉

この先、邪魔者になるだけなんだ。

さよなら僕たちの世界。

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