どうしてなのだろう

どうしてなのだろう

どうして上下関係があるの？

どうして部活に入らなくちゃならないの？

どうして先輩とすれちがったら挨拶しなくちゃいけないの？

どうして校則があるの？

どうして好きでもない人と仲良くしなくちゃいけないの？

どうして誰も話しかけてくれないの？

どうして受験した人の方が偉いの...

どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

私はこうやって

たくさんの

どうして

が積もる人生を

歩んできた

どうしてこんな人生歩んでるの？

と、また考えてしまう

どんなに悩んでも解決なんてしないのに

どこに向かって歩いてるのだろう

私は今どこにいるのかわからない

この道は何

この靴は何

この足は何

この服は何

私自身とは何？？

どんなに考えてもゴールは見えない

喉まででかかってるのに

どうしてなのか分かってるのに

何度も何度も考える

私を止めてくれる友達は

いないと思っていた

え？

何、これ

誰かに話しかけられるのは何年ぶり...？

親も今じゃ仕事が忙しくてなかなか顔を合わせてくれない

ほぼ一日中一人ぼっちだ

なんだか心がほわほわする...

どう表現したらいいのかわからない感覚にとらわれる

何を話せばいい？

どうしてなのか気になってることを聞けばいい？

なんか違う

何が違うのだろう

え？

そんなはずはない

私はちゃんと真っ直ぐ立っている

彼女はそう言いながら名刺を差し出してきた

彼女は心理学を学んでいたらしく、私の異変に気づいたらしい

彼女の名前は...

明日美、か...

明日を美しくするために生まれてきたのだろう

実際私の心の中はお花畑だ

彼女に救われたのだ

グイッ

柔らかく握られた私の手

暖かくなっていく心

はぁ...私が求めていたのはこの人だ...

私は人を殺すために生まれた

やっとわかった

車が走る音に消されていく私な声

当分彼女には届くことはないだろう

死ぬまで残り47日

2話に続く