風莉
START。
ガララッ
渉
お待たせしました、ボス☆
バサバサッ
渉
おおっ…!?
風莉
あ、どもです、日々樹先輩。
風莉
すいません、その紙避けてきて大丈夫ですので。
渉
…いえ、大丈夫ですよ。
カサッ
渉
(……おや?これは…
風莉
あ…、ありがとうございます。
渉
……ボス、空き教室なんて使って何を?
風莉
許可はとってるので大丈夫ですよ?
渉
…誰にですか?
風莉
生徒会長です。
コンコン
零
ん?
ガチャッ
風莉
……失礼します。
風莉
生徒会長いますか?
零
…お、珍しい奴が来たな。
風莉
……?
零
しかも、俺の日本滞在を知って。
風莉
…そのくらいは噂で分かりますよ。
風莉
生徒会長(あなた)は目立つので。
零
……ふーん…。
風莉
…本題に入っていいですか?
零
…おー、なんだ?
風莉
どこか、使っていい空き教室はありませんか?
零
……空き教室?
風莉
ええ。
風莉
どこでもいいので、人気がないところを一時的に貸して欲しいんです。
零
……へえ。
零
まあ、それは別に許可取らなくてもいいぞ?
零
そういうのめんどくせぇし。
風莉
…そうですか。
風莉
それじゃあ借りますね。
風莉
…それと、
風莉
ユニット申請をしたいのですが。
零
おう。
零
…そーゆうのは任せた、坊主。
蓮見敬人
……忘れられているのかと思ったぞ、朔間さん。
零
んなわけねーだろ。
零
…まあとりあえず、そういう書類系は任せた。
蓮見敬人
……ハァ…
渉
へぇ、零のところにですか…
風莉
ええ。
渉
(……なるほど、だからユニット申請書ですか…。
渉
(……ですが、
渉
…………ボス、そのユニット申請書…
風莉
……ん、なんですか?
渉
ユニット名だけ書いていませんね。
風莉
…ああ、それは…
風莉
日々樹先輩と考えてから書こうと思ったんです。
渉
……ああ、なるほど、
渉
(まあ、私は別にボスに考えていただいても良かったんですけどね♪
風莉
…あ、というか書類系全部やってしまっても良かったですか?
風莉
すみません、許可も取らずに。
渉
いえいえ、構いませんよ☆
渉
むしろありがとうございます♪
風莉
…?
風莉
どういうことですか?
渉
…いいえ、深い意味はありません♪
風莉
…………、
風莉
……………せっかくきてもらったので早めに始めますね。
風莉
じゃあまず、ユニット名から決めてもいいですか?
渉
ええもちろん。
風莉
…日々樹先輩は、何か案とかありますか?
渉
ん〜…そうですね、
渉
………まずはあなたのお話を聞いてもよろしいでしょうか?
風莉
……僕の?
渉
ええ。
渉
……まずあなたが私とユニットを組み、何をしたいのかを教えて欲しいんです。
風莉
…ああ、なるほど。
風莉
ではそれからお話しましょうか。
風莉
………最初に言っておきますが、
渉
…何でしょう?
風莉
この話を聞いている最中でも、今この瞬間でも、
風莉
…僕が目的を達成するまで、これからいかなる時でも、
風莉
もし貴方が一瞬でも嫌だと感じたのなら、
風莉
…契約を破棄してもらってかまいません。
渉
……、?
渉
契約破棄…?
風莉
ええ。
風莉
僕がこれからする話は、そう思うのも必然になってくる内容なので。
渉
……………。
渉
(やはり、この子は…
渉
………初めからそんな話をしていたら、
渉
叶うものも叶いませんよ?
風莉
……………。
風莉
…………まあ、そうですね。
風莉
……ですが、
風莉
嫌だと思ったらすぐ言ってください。
風莉
……手遅れにならないうちに。
渉
(………手遅れ…、
風莉
…じゃあまず、
風莉
僕の目的から話しますね。
渉
…ええ。
風莉
…僕は、
風莉
この腐り切った夢ノ咲を、
『変えたいんです。』